新内閣に変わってから日本の先行きに疑問を感じて、米国のS&P500にも挑戦中のshigeです。
先日、当方保有中のLTSが2021年第3四半期の決算を発表しました。
全体的な印象は「無難、堅実、予定通り」です。
実にLTSらしい内容ですが、今回の記事は決算内容の分析と今後の予想に当ててみたいと思います。
尚、以前別記事でLTSの業績予想をしていますが、状況が刻一刻と変化しているので矛盾点が出てきています。
この点は素直に当方の実力不足です。
日々奮励努力します。


この記事の内容
・業績数値の確認
・好材料
・株価の予想
こちらも参考に
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業績
(百万円)
売上 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
2021年3Q累計 | 5324 | 444 | 424 | 262 |
前年同期比 | 30.3% | 14.6% | 24.8% | 19.8% |
ホルダーの間で期待されていた上方修正はなし。可もなく不可もない普通の決算ですね。まあ、その辺が樺島社長らしいのですが、先行投資期間中にもかかわらず売上は30%増は評価できます。他の利益も既に昨年度の通期の業績近辺に居ます。よって残り3か月分の成績がまるっと成長分ですね。
部門別で見るとプロフェッショナルサービスは
(百万円)
売上 | 営業利益 | 営業利益率 | |
2021年3Q(7-9月) | 1782 | 156 | 8.7% |
2020年3Q(7-9月) | 1366 | 129 | 9.44% |
前年同期比 | 30.4% | 20.9% | -0.74% |
売上は30%、営業利益は20%以上増。しかし営業利益率が前年同期比でマイナスです。
社長のウェブセミナーでの発言を踏まえると、利益率の改善には粗利を向上させて、販管費率を下げることが重要だとの事でした。
販管費率は売上の伸びほど増えないので徐々に下がっていくのですが、粗利は子会社とのコラボ案件を増やすことで対応するとの事です。
3Qの決算短信、決算説明資料にはコラボ案件の割合までは載っていないので現在の進捗状況は不明です。今後ウェブセミナーやIRに質問する必要がありそうですね。
もっとも2Q時点でグループ全体の売上・営業利益の進捗率が50%割っていたのに、3Qで76%台に乗せてきました。
当方の心配は無駄に終わりそうです。

以前見た動画でLTSはワクトに「すぐに結果を出さなくていい」、という事を伝えていたのにもかかわらず加入1年目から業績に貢献してくれました。
おそらくそれが出来過ぎなのであって、イオトイやソフテックのやり方が通常なんでしょう。
そして花王の棚卸システムの件で子会社のイオトイが関与しているというIRがありました。
子会社の利益率が改善すれば、ソフテックがIRが出てくると期待しています。
利益率についてはあと1年辛抱ですね。
4Qで上方修正するなら
業績修正の基準は
売上で±10%以上
営業利益・経常利益・当期純利益のいずれかで±30%以上
のズレがあった時速やかに発表することが定めれています。
LTSは22年期まで先行投資期間であることを踏まえると、各利益で30%以上ズレによる上方修正は考えにくいと思います。
なので売上が一番可能性があります。
21年通期の売上は70億円の予想ですから、77億円以上で上方修正ですね。
3Qの売上は概算で53億円。あと3か月で24億円。
普通に活動すれば4Qの売上は17億円程。
残り7億円。


「上方修正があればラッキー」ぐらいに思って、先行投資期間でもしっかり成長している事を評価した方が良さそうですね。
好材料
プラットフォーム事業の売上が増えた
売上 | 営業利益 | 営業利益率 | |
2021年3Q(7-9月) | 90 | 14 | 15.5% |
2020年3Q(7-9月) | 56 | 2 | 3.5% |
前年同期比 | 60.7% | 600% | 12% |

これだけ見ると営業利益の伸びに圧倒されますが、昨年度は各Qで営業利益にバラツキがあったものが、今年度は概ね平準化しているのでその辺の違いが出ているだけですね。
なので注目は売上げです。
昨年の4Qから今年の2Qまで7000万円程度の売上だったにもかかわらず、3Qで9000万円に増えました。先行投資の成果が確実に出ています。
プラットフォーム事業は社長自ら指揮を執っているので、トップセールスは偉大ですね。
プラットフォームの営業利益率は2024年には30%まで行く予定。
プロフェッショナルサービスは人が動いた時売上が経つので経費も掛かりますが、プラットフォームはネット上でお客さん同士がやり取りするのでLTSへの負担が少なくて済みます。
いわゆるSaaSは雇用は生まないけど経営効率は抜群です。
どのIT企業とも中立に付き合ってきたLTSの立場がプラットフォーム事業に貢献してくれそうです。
IT人材の内製化の記事
2021年11月4日の日経新聞のサイトに興味深い記事が載っていました。
タイトルは
「DX先進企業はシステム内製 セブンや無印が大量採用」
内容を簡単に要約すると
セブンイレブン、エディオン、良品計画、カインズなどの大企業が社会のDX化の流れを受けて外部企業のIT人材を頼るのではなく、
自社でIT人材を抱えるようになった。そのおかげで、顧客動向に素早く対応できたり、社内にノウハウが蓄積する等のメリットを得ている。
と言う事です。
但し、内製化するにあたって外部に丸投げしていた企業は人材確保やマネイジメント、IT企業との付き合い方、経営層の意識に課題を抱えているとも記述されていました。
これはまさにLTSが予想していた通りの展開になっています。
これまで日本企業は5年や10年に1回、大規模プロジェクトを組んで変革を起こしていればよかったのですが、現代は変化が非常に早く大規模プロジェクトによる変革では効果が出なくなったのです。だから小・中規模のプロジェクトを立ち上げ日常的に変革を起こさなければならなくなりました。
そうなると外部に頼るのではなく、自社でIT人材を抱える必要が出てきました。自社のIT人材なら打ち合わせに時間を取りませんし、社内の業務についても詳しく知っているので作成するシステムの品質も担保されます。
そこで問題になるのが上記の通り「どうやって自社に引っ張って来るか?」です。
日本のIT人材の7割はIT企業におり、彼らを採用するためには接点が必要になります。
そこで重宝されるサービスが、LTSの「アサインナビ、コンサルタントジョブ、 cs clip」じゃないでしょうか。
cs clipはまだ開発途中ですが、ほかの2つのサービスは既に黒字化しており今後の飛躍が期待されます。
そしてもう1点。
現在のIT業界はベイカレントに代表される、「ITに詳しい人を大量育成して顧客先に派遣する」、いわゆる高級派遣が主流です。
しかし今後IT人材の内製化が進めば顧客が主体的に変革を起こす流れになると思われ、それをサポートする総合チームの重要度が増します。
中経にも書かれている通り、LTSの主戦場は顧客を総合チームで支える分野なので成長余地が非常に大きいと思われます。
新聞記事には星野リゾートがgo toトラベルの予約サイトをたった2週間で作成したとの事で、今後はこういったIT人材の内製化の成功が増えてきそうですね。
目先の株価にとらわれず、四半期毎の業績を逐一チェックしながら長期ホールドです。
株価予想
株価については言うまでもないです。
今年の初めは4月か遅くても夏場には上昇を開始すると思っていたのですが、とんだ見当違いでした。
先行投資中は株価の上昇は期待できそうにないです。
ただし、IRJを保有していた時も初めのころは市場に気付いてもらえず安値圏に停滞していました。それが少しずつ上昇をはじめ、投資銀行用オフィスへの先行投資が終わった2019年に、「上方修正、自社株買い、増配」の3点セットの発表。2020年の秋までコロナショックを挟みながらも長期右肩上がりを続けました。
今年は案件の期ズレの影響で乱高下が目立ちますが、人材の確保さえできればまだまだ業績は伸ばせていけると思います。
LTSも数年後にはそうなってほしいと思います。
まとめ
・業績の上方修正はないが順調
・プラットフォームの成長やIT人材内製化の流れが来ている
・先行投資が終われば株価は上がるはず
懸念点を上げるならば、「原油高や半導体不足による業績への影響」。それから「DX市場のピークアウト」です。
まあ、社長は今の顧客に今のサービスの範囲を広げて行けば中経の数字は無理なく達成できると言っています。
むしろLTS内では中経のその先について話し合われているようで、長期ホルダーならあまり神経質になる必要もないでしょう。
何かの参考になればうれしいです。
ありがとうございました。
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