
IRJが無名時代から保有し、昨年800万円の利益を得たshigeです。
オニールの本って分厚いですけど、実は内容を簡単にまとめた本「オニールの相場師養成講座」があるので今回社それを紹介します。
成長株投資の本を読んでいる方なら復習する感じなので取っつきやすいですよ。
この本の内容
「成長株発掘法」との違い
個人的に面白かったこと
この2点について解説します。
伝説のファンドマネージャーが教える 株の公式 著者 ウィリアム・J・オニール 訳 古河みつる 3080円
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いくら内容が充実していても何回も読みたいと思わなければ意味がないですよね。
成長株発掘法は600ページ以上に渡るので、復習する箇所を探すだけでも大変です。
その点こちらの本はサクッと240ページ程度。
今は生産・効率性の時代。
ダラダラ時間をかけるコンテンツは容赦なく切り捨て、自らのリソースを有効に使いましょう!
目次
要約
「しっかりしたルールと原則を採用し、過去に犯した間違いの理解を深める事」がこの本の目的。
それを5つのステップと5つの付録で説明している
ステップ1 市場全体の方向性を見極める方法
ステップ2 利益と損失を3対1に想定する方法
ステップ3 最高の銘柄を最適なタイミングで買う方法
ステップ4 利益を確定する最適なタイミングで売る方法
ステップ5 ポートフォリオ管理-損を抑えて利益を伸ばす方法
付録A CANSLIMによる成長株発掘法
付録B CANSLIMのすべて
付録C マーケットメモ―2003年3月17日
付録D ”ザ・サクセスフル・インベスター”たちの声
付録E ベア相場には気をつけろ
つまり前回の記事と要約は同じです。
CAN-SLIMは上昇相場でも下落相場でも利益が出るという手法だけどあくまで
売上・EPSが共に伸びている企業を無名の時に正しい下落と調整をこなした後の新高値で買い、売る
のという事です。

目次を読むだけでも参考になる
実際に何か物事を始めると手法にばかり目が行きがちですが、全体像を捉えてから技術や細部に移行した方が効率的ですよね。
そういう意味でこの本の目次は親切なんです。
市場全体の状態を把握
儲かる考え方を把握
買う時の技術
売る時の技術
ポートフォリオのメンテナンス
と綺麗に「全体→細部」という流れになっています。
分厚い本だったり、間を空けて読むとこういった基本原則は忘れがちになるので
ありがたいですね。
「成長株発掘法」との違い
先述した通り基本的に内容は同じなのですが、今回は240ページと約1/3に圧縮されています。
その分要点がわかりやすく理解が深まります。


具体的には以下の事です
CAN-SLIMの内容がコンパクトにまとめられている
「成長株発掘法」のp339~p341にもまとめられていますが
この本のp218~p224の付録Bの要約の方がまとめと説明のバランスが良いように感じられます。
ちなみに付録AもBと同じなんだけどBの方がより簡潔という印象で、繰り返し読むならB。
チャートが厳選、見やすくなっている
成長株投資法のチャート100選で挫折した方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなことはないと思われます。チャートの山場はステップ3の辺り。
ただ、掲載されているチャートは「実際の取引の中で、これをベースとして認識できるか?」という疑問が湧くものが散見されます。
当方の感覚では教科書通りのチャートはまず出てこないので、カップウィズハンドルのハンドル部分で売りをこなし
出来高急増の新高値で買う。そして予想が外れたら含み損7%以内で損切が肝要と思われます。
あくまで参考程度にしましょう。
面白かったこと
ひょっとすると成長株発掘法に書かれてあったかもしれませんが、こちらの本で当方がオリジナリティあるなと思った部分を
ご紹介します。
「銘柄選択に成功するために」の話
企業とその企業が属する産業に関する基本的なファンダメンタルズ情報に熟知している事が60~65%、
チャートと相場の動きを理解している事が35~45% p173より抜粋
株式投資でやる事は売る、買う、保有を続ける(何もしない)の3つのどれか。
で、買う為にファンダメンタルズやチャートを分析しているわけですが
スクリーニングなどで一番最初にその銘柄の存在を見つけ出す際、
「ファンダメンタルズとチャートどちらを優先するか?」
といつも悩みます。
上記の通りならまずファンダから入ってチャートで買うタイミングを計るという法則が成り立ちます。
逆にチャートから入ってファンダで裏付けを取るという法則も成り立ちます。
この違いはつまり”投資期間の違い”でしょう
長く保有できる人はチャートの形状が悪くてもじっくり待ってから買い注文を入れられます。
逆に短期の人は即値上がりを期待しているので最初からチャートの形状が良いものを選ぶと思います。
オニールは順張り派ですが比較的短期投資らしいので、
成長株発掘法の本ではチャート分析重視、でも今回の本ではファンダ65%、
となっているのが面白いですね。。

当方の場合、チャートを分析して買い銘柄だなと思っても、ファンダが悪いと長期保有しようと思えないのです。
短期投資は苦手なのですw
主観的な売りサイン
CEOが雑誌の表紙に出た時
大きな本社ビルを建てた時
業界で最大手になりたいというそぶりを見せ始めた時
言われてみればソフトバンクの社長はメディア受け良く、業績も良く見えます。
しかし、あの会社含み益を本業のもうけとしているのが危険危険!
あとトヨタの社長もよくメディアに出ますが、政府のガソリン車廃止の方針を踏まえると
安泰ではないですね。
つまりトップが直接セールスをしなければいけない状況なのだと思います。
フジテレビがお台場に新社屋を建ててから今の凋落が始まったと言われています。
自分たちは特別なんだというプライドや見栄が努力を怠らせたと。
まあ、テレビ業界がいつまでもかつての隆盛を誇るはずもないです。
そういう意味では今、新社屋を建てようとしているNHKも昨今の集金人の態度の悪さで風当たりは強く、
いつまでも「天下のNHK」を気取っている場合じゃありませんね。
「最大手になりたい素振り」として本の中では合併や買収騒ぎが起こるとあります。
数年前のライザップなんてその典型でしょう。
ライザップは元々健康・美容関係商品の通信販売をしていた会社なのに、
直接関係ない企業(CD・DVDの販売、買取を行っていたワンダーコーポレーションなど)を
最大で85社買収したと言われています。
そんなに買収して状況を把握できんの?
という感じ。
そういえばカルビーから招いた松本晃氏も1年足らずで退任でしたね。
敏腕経営者もお手上げの状況だったと推察できます。

投資って理系有利という印象があると思いますが、
全員が数値を基準にした投資法をしたら差が付かないじゃないですか。
だから最後はこの主観で勝敗が決まるのかなという気がしましたね。
まとめ
・「売上・EPSが共に伸びている企業を無名の時に正しい下落と調整をこなした後の新高値で買い、売る」は不変
・成長発掘法よりこちらの方が読みやすい
・「ファンダ・チャートの割合」や「主観的な売りサイン」がこの本のオリジナリティ
読む順番はこの本→成長株発掘法がセオリー。
だけど両方買うと7000円以上+時間がもったいないので、
どうしてもという場合は成長株発掘法だけ読めばいいと思います
他のサイトでもおすすめされていますから^^
2021年相場は昨年に続きオリンピック開催の可否などで波乱が続きそうな予感。
しっかりとチャンスをものにし、狼狽売り、無駄な買い控えを減らせるよう頑張りましょう。
ありがとうございました。