書評 株式投資

書評 「3回連続 25% 7%損切」 が肝 「オニールの成長株発掘法」①

2020年12月2日

オニールの成長株発掘法①のアイキャッチ

聞き手
「オニールの成長株発掘法」を読んでみたいけど、分厚すぎるから誰か要約してほしい

 

 

はい、アイ・アールジャパン(IRJ)を3年前の無名時代から保有しおよそ7倍になったところで売却し、800万円の利益を得たshigeが代わりに読みます!

 

shige
分厚い本って見ただけで読む気失くしますけど、本当に重要な部分って全体の2割ですから負担に思う必要はありません。

この記事を参考にしつつご自身でも原書に当たっていただければ幸いです。

 

 

この記事の内容

オニール独自の投資法”CAN-SLIM”の事がわかる

銘柄選別の基本がわかる

当方の見解

 

そうは言ってもこの記事だけではまとめきれないので、前編・後編と分けてお伝えしますね。

 

 

後編 ②はこちら

書評 「絶頂時に売れ」 が肝 オニールの成長株発掘法 ②

後編の結論はタイトル通り   「絶頂時に売れ」 です。   アイ・アールジャパン ...

 

オニールの成長株発掘法   著者 ウィリアム・J・オニール   訳者 スペンサー倫亜   監修者 長尾慎太郎  4180円

4.0

 

要約

この本は、エリートではなくごく普通の人が、株式市場で大化けする銘柄を選び、

適切なタイミングで買い、適切なタイミングで売ることを念頭に置いて書かれている。さらに失敗や損失を大きく減らす方法も学べるようになっている。

著者が過去125年間にさかのぼって株式市場で最も好成績を上げた銘柄1000以上を詳細に分析した「大化け銘柄の記録」がその根拠。

 

ウィリアム・J・オニールとは?

 

 

1933年オクラホマ生まれのテキサス育ち。

証券投資で得た利益によって30歳でニューヨーク証券取引所の会員権を取得し、投資調査会社ウィリアム・オニール・アンド・カンパニーを設立。

保有資産が2億ドルを超えるニュー・USA・ミューチュアルファンドを創設したほか、ウォールストリートジャーナルのライバル紙、「インベスターズ・デイリー」の創設者でもある。

 

投資法:数週間~1年の順張り戦略。
投資銘柄数:1点集中

 

聞き手
個人投資家が株で成功するには少数銘柄集中投資が良いと言われているから、オニールは参考になるね。
shige
そうだね。バフェットは値下がりした株を買って株価の反転待つ「逆張り長期戦略」。一方のオニールは新高値を追う「順張りの短期戦略」です。

 

オニールは若い頃から投資成績は優秀で、その頃に開発した手法がCAN-SLIMという訳なんですね。

では具体的に見ていきましょう。

 

CAN-SLIMの具体的な内容

Current Quarterly Earnings・・・当期四半期のEPSと売り上げ

Annual Earnings Increases・・・年間収益増加(年間EPSの事)

Newer Companies,New Products,New Management,New Highs Off Properly Formed Bases・・・新興企業、新製品、新経営陣、正しいベースを抜けて新高値

Supply and Demand ・・・株式需要と供給

Leader or Laggard ・・・主導銘柄か停滞銘柄か

Institutional Sponsorship・・・機関投資家による保有

Market Direction ・・・株式市場の動向               p19より引用

 

shige
C~Nはその会社のファンダメンタルや経営状況を主眼に置いて、S~Mはその会社の株式市場での評価や位置づけに主眼を置いているみたいですね。
聞き手
これ全部把握できるかな・・・
shige
大丈夫です。部分的に理解するだけでも随分パフォーマンスは変わると思いますよ。

 

チャート分析の原則を端的に

623ページあるこの本はCAN-SLIMの具体的な内容と理由について書かれています。

 

特に売買タイミングについては冒頭100ページに渡ってチャート付きの例題で解説するほどの熱血ぶり。

ただ、掲載されているチャートがモノクロな上に、小さいのではっきり言って「見にくい!!

 

 

なので当方が要点と思われることだけを以下の図にして掲載しました。実例については原書を読むか、日本株などのチャートを探してみてください。

 

オニールのチャートの概要の図

ベースとは株価が上昇局面に表れる調整・もみ合い期間の事

 

 

100ページに渡るチャートの元となっている考え方です。

株価が一旦高値を付けてから12~33%下落し、3~6か月後再び上昇。前回の高値圏でもみ合った後、もみ合いをブレイクして本格上昇という流れです。

この過程を経ることで長期投資家だけが残り、その後は株価が下がりにくくなるという構図です。

 

短期のチャートで見ると「だまし」に遭遇するので、3年以上の長期のチャートで見た方が確度が高くなる気がします。

 

 

覚えるべきルールと指針

当方の解釈でまとめたオニールの主張の画像

ビジネス書やノウハウ本はまとめの章があって意外と読みやすい

 

実は分厚い本と言っても第19章に要点が「23箇条」にまとめられていました。

その中で最初の12箇条を省略・意訳して書きます。

EPSは年間・四半期共に3回続けて25%以上増え続けている

直近の売上が25%以上増えている

ROEが最低でも17%以上、理想は25~50%ある

配当金やPERは気にしない。それよりは製品や企業に優位性があるかが大切

日足と週足チャートを使って注文を出すタイミングを計る

買値から7~8%下がったら例外なしに損切りする。

 

shige
IBDSスマートセレクト評価、インベスターズ・ビジネス・デイリー紙などアメリカ関連を含んだの箇条はキッパリ省略です!

 

要は

 

・売上以上の利益は出ないのでまず売上が増えているかどうかを見る

・株主は株の保有数に応じて利益がもらえる。だからEPS(1株当たりの利益)の増加を見る

・ふさわしいタイミングが来たら配当金やPERなどの2次的項目を気にせず、注文を出す

・タイミングを間違えたらさっさと損切りする

 

ですね。残りの11箇条については後編でご紹介します。

 

聞き手
原書ではあれだけチャートを載せて熱弁していたのにまずはファンダメンタルの事が先に来るのは面白い!
shige
成長性のある銘柄だけチャートで分析せよと言う事なんでしょうね。

 

 

当方としては「前提条件」があると思う

前提条件を3項目にコンパクトにまとめた画像

手順を飛ばさず1歩、1歩確認して進んでいく事

数字が出てからでは遅い

 

IRJは20年3月期、年間EPSが150.5%増加という驚異の数字をたたき出しました。もちろん株価はうなぎのぼり。

では、それまでの3年間の年間EPSの増加率はどうだったかというと、

17年3月期  62%

18年3月期  18.7%

19年3月期  18.6%

 

となっています。

17年3月期こそ62%とすばらしい数字ですが、その後2年連続で18%台なのでオニールの投資法を忠実になぞっていたら確実に投資対象から外していましたね。

四半期EPSを見るまでもないです。

 

 

当方がIRJに投資した理由は「IR・SRコンサルティング」という珍しいビジネスモデルに注目したからです。

唯一無二の存在なら競争相手もいないだろう、仮に市場が小さくても利益を独占できるだろうと思ったからです。

 

 

そして、20年3月期のEPS大幅増加は1件5000万円以上の案件を23件も獲得できた事が理由です。(前年は7件)

もともと年間EPSはそれなりに増えていましたが、この大型案件の増加を予想できた人がいったい何人いるか?

 

 

となると数字を見てから投資するのではなく、やっぱり

・その会社の経営状況やビジネススタイルを定点観測して、ニッチな産業だったら買う

・もしくはスクリーニングする時、年間EPSの増加率を10~15%程度に抑えて検索する(数字は当方の経験則)

のが確実だと思います。

 

利益はある程度調節できてしまう

 

売上は本業をがんばる事でしか増やせませんが、利益はある程度調節できてしまいます。

 

例えば、「従業員をリストラする」「材料を安いものに変える」「所有している建物や土地を売る」などすれば利益が増やせます。つまりEPSも増やせます。

しかし、これらには持続性がありません。

短期的には儲かっていても徐々に会社が回らなくなり、サービスや製品の質が落ち、信用も無くし、

業績が悪くなる、というスパイラルにはまります。

 

 

日本は経常利益を重んじる風土ですが、

投資をするなら利益だけではなく売上、もっと言えば損益計算書に書いてある数字全部読む必要があるでしょう。

 

損切は早めに

 

中長期投資は業績の拡大を期待して買っているので、業績が拡大している間は損切りしないのが筋だと思いますが、

この7~8%というのは何か中途半端だと思います。

 

成長株は値動きが激しいので、損切するなら3%位にして、

それ以上含み損が出ても業績の下方修正や粉飾決算でもしない限り保有し続けないと

いわゆる「損切ビンボー」の状態になってしまいます。

 

まとめ

 

オニールの成長株発掘法① のまとめ

オニールの投資法と言えばCAN-SLIM

成長する企業をふさわしいタイミングで買う事が大切

前提条件があるので注意

アメリカ市場と日本市場は規模が違うのでそのまま鵜呑みにはできない事もありますが、結構主張としては妥当な内容だったのではないでしょうか。

少なくてもデイトレーダーの手法よりはるかにとっつきやすい部類に入ると思います。

 

聞き手
チャートが読めるようになるまでは時間がかかりそうだけど、ファンダメンタルの方は何とかなりそうだわ
shige
それはよかったです。ファンダメンタルの数字は動かないので銘柄選びは冷静に分析できますよね。

 

当方がIRJで大きな利益を出せたのはビギナーズラックだったかもしれませんが、なんとなく感覚でわかっていたものをうまく言葉で表してくれた本でした。

4000円以上する本ですけど、正直もっとコンパクトにまとめられるはずなのでその辺もオニールは上手だなと思いました。

その②につづきます。

 

ありがとうございました。

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    shige

    年齢 アラフォー

    住居 愛知県

    職業 個人投資家 ブロガー

    町工場勤めから今年本格的に個人投資家へ転身。 中長期投資なのでファンダメンタルズを重視しています。

    このブログで自分の成功体験・失敗談・ノウハウを公開していきたいと思います。初心者の方に参考にしていただけたら嬉しいです。

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