
今回はそんな質問にお答えします。
IRJで800万円の利益を得たshigeです。今回の本は基本的にこれまでのミネルヴィニの本と同じなんです。
ただ、ジャレク・ロビンズというパフォーマンスコーチとの対談のページが面白かったのでそこは読む価値ありかなと思います。
なので今回の記事にはテクニカルな話は出てきません。
チャートも出てきません。
概念の話に終始しています。

この記事の内容
第11章 トップトレーダーの思考法
感情のコントロールの重要性
について書いています。
結果ではなくプロセスに注力しろ、というのがこの本のメインテーマ。
ただし、3000文字の記事ではとても表現しきれないので、興味を持たれた方は原書を買って読んで下さい。
株式トレード 基本と原則
著者 マーク・ミネルヴィニ
訳 山田雅裕
監修 長尾慎太郎
4180円
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著者紹介
マーク・ミネルヴィニ
数千ドルから投資を始めて、口座残高を数百万ドルにした。
自分のSEPAトレード法の効果を試すために、1997年に25万ドルの自己資金でUSインベスティング・チャンピオンシップに参加し、
155%のリターンを上げて優勝した。また、自らはSEPAトレード戦略を使って、5年間で年平均220%のリターンを上げ、
その間に損失を出したのはわずか1四半期だけだった。
投資講習会などの啓蒙活動も精力的に行っている。ウォール街で30年の経験を持つ伝説的トレーダー。
注釈
パフォーマンスコーチとは
NLP(Neuro Linguistic Programming 神経言語プログラミング)を使って、
成功者をマネして再現しようという人の事らしいです。
NLPとは
脳の取り扱い説明書と言われ、
目標の実現法や問題や悩みの解決に役立てられているそうです。
要は科学的に意識改革する試みのようです。
メンタルリハーサルを行う
自分がトレードで良い結果を達成しているところと、障害に遭って損をしているところの両方を想像します。これを繰り返し練習して、トレードの結果に関係なく自分の規律とプランを守っているところをしっかり想像できるようになるほど、不安を抑えることができます。 p271より抜粋
トレーダーが規律を失う一番の原因は「恐れ」。
これを逃したらもう買うチャンスはないのではないか?、と勝手に想像して高値掴みをする。
株価が暴落するのではないかと勝手に想像して、早く売ってしまう。
しかし、株価は相変わらず上昇を続ける。
自分で設定した規律を守っていれば利益が出ていたのに、歯がゆい思いをした人は当方だけではないはずです。
では、どうすれば規律を守れるようになるのか?
答えは「メンタルリハーサルを行う」事だとロビンズは言っています。
メンタルリハーサルとはつまり「イメージトレーニング」の事ですね。
・そうなってほしいことを頭に思い浮かべる
・そしてスムーズにトレードしている場面を思い浮かべる
・次に株価が逆行し、小さな損切りをしている場面を思い浮かべる
・それを受け入れている自分を思い浮かべる
結果に関係なく自分で設定した規律を守れているところを想像することで、恐怖を抑えることができるのだとか。
思い返してみると・・・
規律やルールを設定する時の自分の心境を振り返ると、おおよそ平常心です。
だからその規律やルールには余計な情報が入っておらず、客観的に見ても妥当なものでしょう。
しかし、実際に取引をしてみると相場の急変による余計な情報に翻弄されて
自分の規律を守れません。



習慣を変える
自分はすでにどんな習慣をトレードに組み込んでいるのか、と自問してみましょう。どれが自分の役に立ち、どれが自分の妨げになっているのか、と。
p276より抜粋
人間の行動の40%は習慣やルーティーンによって成り立っているのだとか。
確かに、いちいち考えて行動していたら日常生活に支障が出ますね。
だから本当に必要な事だけに脳を使えるよう、普段は無意識に行動しているのです。
ただ、習慣は良いものばかりではなく悪いものもあるのは周知のとおり。
株式投資においてもそれは同じで、まずは繰り返し行っている悪い習慣に気付く事から始めようと
ロビンズは言っています。
興味深いのは株式投資で損を出した時、自分を責めたり愚痴ったりする事が報酬(快感)になり、
悪い習慣として定着してしまうという事実。
この連鎖を断ち切るために、小さな損切りで済ませられた時は椅子から飛び上がったり、
踊ったり、「無理やり体を動かす」事が良いのだそう。
つまり、じっとしている間はなかなか感情が変わらないので、体を動かすことで感情を変えてしまおうという事です。
そして感情が変わればそれが報酬となり悪い習慣が良い習慣へと変化するらしいです。
以前何かで読んだ、
幸せだから笑うのではない、笑っているうちに幸せになるのだ
という言葉を思い出しました。
必ず良い所はある
連戦連勝しているスポーツチームを見ているとその数字だけに注目が行きがちです。
しかし、その数字を出すまでの過程でどれだけ負けが込んでいたかは報道されません。
一般人と違うのは彼らは負けが込んでいる時も全てがダメだと切り捨てるのではなく、
「全体としてはダメだけど、部分的な良い所」を発見していた点だと思います。
その「部分的ないい所」の積み重ねが最終的に連戦連勝という数字に結びつくのです。
株式投資も同じで、損を出したトレードだからダメではなく、
「保有が少なかった」「規律を守れた」などいい所を探していく事が
大切ではないでしょうか。
だから悪い習慣を断ち切るための変化を起こせたら全力で自分を褒めましょう。
その繰り返しがいつか数字になって表れると信じてます。
まずは心が摩耗する掲示板の書き込みやSNSを見ないことから始めましょう。
30年の鍛錬で1人前
半年しか勉強をしていない医者にかかりたいと、患者が思うでしょうか。1年しか学校で学んでいない弁護士のアドバイスを信じられますか。
どんな分野でも、証明書をもらうか博士号を授与されるか、それらと似た水準のことを達成するには8年から10年はかかるものです。
p289より抜粋
証明書や博士号はあくまで最初の学習の段階です。
それが終わるのに8年から10年かかるのです。
そういえば宮本武蔵も似たようなことを言っていますね。
「千日の稽古をもって”鍛”とし、万日の稽古をもって”練”とす。」と。
千日は2.7年。約3年練習してようやくスタートラインに立てる。
万日は27年。つまり最初に練習を始めてから30年で1人前になる。
3年か10年かの問題はありますが、いずれにしても基礎を終えるのに時間がかかるのは確かです。
1人前になるにはそこからさらに実戦経験を積む必要があります。


おそらく技術やノウハウの習得だけだったらもっと早く達成できそう。
しかし、株式投資の難しい所は「感情のコントロール」なんですよね。
”損切をしなきゃいけないとわかっちゃいるけどやめられない”状態で、場合よってはいつまで経っても結果が出せないかもしれない。

市場では毎年同じことが繰り返されているのに、個人投資家は駆け引きの部分で機関投資家に負け続けてしまう。
これはもう職人の正解ですね。投資家には定年もないですし。
昨今の芸能界やスポーツ界は低年齢化が進んでいますが、
我々投資家はその真逆、高齢化であることを念頭に
日々市場に向き合わなければいかんですなw
まとめ
メンタルリハーサルを行う
習慣を変える
30年の鍛錬で1人前
この本で当方が面白いと思ったことは以上です。
細かいノウハウとか数字についてはこれまでご紹介してきた本を参照してください。
古今東西何を身に付けるのにも少しずつ、毎日の取り組みが必要ですね。
ブログ運営も一朝一夕にはいかず、当面はお金のことは忘れて価値ある記事を
少しでもUP出来るようにマイペースで取り組んでいこうと思います。
ありがとうございました。