前回の記事で中期経営計画を扱ったのですが、一応本決算についても触れておきたいと思います。
3Qで上方修正があったので今回は特別決算についてはサプライズはなしです。
ここの会社は保守的な予想を出して見通しが立ったところで上方修正をするパターンが恒例となっています。
株主としてはもっと強気の予想を出してほしいですが、下手に強気の予想を出すとイナゴの餌食になるので
まあ、これで良いのかもしれませんw
その堅実な決算の中で当方が注目した点を今回記事にします。
注意
この記事の予想はあくまで当方の独自のものです。この記事を基にした投資の損失については一切の責任を負いません。
また、数値に間違いがあるかもしれないので最終的には各自でご確認ください。
この記事で扱う事
本決算の振り返り
好調要因
将来に向けて
エル・ティー・エス関連の記事はこちら
2020年12月期決算の着地
単位 百万円
2019年12月期 売上・・・3790 営業利益・・・307 経常利益・・・298 当期純利益・・・201
2020年12月期 売上・・・5555 営業利益・・・478 経常利益・・・447 当期純利益・・・270
LTS 2020年12月期4Q 決算説明会資料より
売上は+46.6%、営業利益は+55.5%、経常利益は+50.0%、
当期純利益は+34.0%となっています。

3Qの上方修正では営業利益が4億5千万円でしたが、それをさらに上回り4億7800万円になりました。
それでも営業利益率は8.6%。
テンバガーの条件10%に届かず歯がゆいですねw
売上の伸びは文句なしなので是非21年期に・・・、と行きたいところですが、21年22年は人員確保や研修などに
引き続き利益が使われるという事で辛抱の時期が続きます。
「充分頑張ったじゃないか」という人もいると思いますが、政府の金融緩和が続いている間になんとしても株価上昇してほしいです。
期初予想からどれだけ上振れたか?
以前から日本企業は「デジタル化をしなければいけない」と叫ばれておりましたが、コロナによって堰を切ったかのようにそれが進んでいます。
LTSもその恩恵を受け、2020年12月期の業績の伸びが素晴らしいものとなりました。
では、一体どれだけ数字に表れたのでしょうか?振り返ってみたいと思います。
2019年4Qの決算短信を読んでみると、2020年12月期は
売上高・・・5000百万 営業利益・・・400百万 経常利益・・・350百万 当期純利益・・・240百万 1株当たり当期純利益・・・58.66円
と予想されていました。
「売上が31.9%の伸び、営業利益は30.0%の伸び」と予想されており、これだけでもいい感じですね。
今後の見通しについても、事業環境は好調でDX案件や人材の獲得に力を入れていくとなっていました。
(結果的に人材獲得は物足りない状態で着地)
この時点ではまだコロナが拡大していなかったので、控え目なコメントですね。
また、この時点では社長が今注力しているプラットフォーム事業の「CS clip」については触れられておらず、構想外だったのか
それともコロナを契機に構想・実行に移したのか不明です。
単位 百万円
2019年12月期 売上・・・3790 営業利益・・・307 経常利益・・・298 当期純利益・・・201
2020年12月期 売上・・・5555 営業利益・・・478 経常利益・・・447 当期純利益・・・270
LTS 2020年12月期4Q 決算説明会資料より
2019年12月期 1株当たり当期純利益・・・49.29円
2020年12月期 1株当たり当期純利益・・・66.47円
LTS 2020年12月期4Q 決算説明会資料より
期初予想より「売上で14.7%、営業利益で25.5%、EPSで16%」も伸び率が修正されています。
特に営業利益の修正が25%越えってすごい。先行投資をしているので営業利益率としては8%台に
収まっていますが、コロナによる業績の拡大が見て取れます。
21年期はどうか?
HP上で決算説明会動画がUPされています。
その中で社長が業績予想について話しています。
それによると、
ポイント
業績予想が保守的だという声は会社側に届いているようですが、LTSとしては期初予想をボトム(最低ライン)にして期中に上回っていく
との事。
つまり今期も3Q辺りで上方修正が来る可能性がある。
「実際にどれだけ増額されるか?」は今の時点ではわかりませんが、昨年度と同水準ならば
21年期の業績は概算で
売上80億、営業利益7.4億、EPSは89円
となります。
まあ、さすがにこれはないと思うので、
売上75億、営業利益6.5億、EPS85円
辺りになるんじゃないかと予想。
中計の記事で22年期の業績を当方は
売上85億円、営業利益9億円 EPS128円
としたので22年期までに、コスト削減と効率化が進まなければいけない計算ですねw

コンサル・DXが好調
決算発表と同時に好材料も発表されました。
LTSのプロフェッショナルサービスには「ストック型」と「プロジェクト型」の2種類があります。
プロジェクト型は単発の仕事で景気の影響を受けやすいサービス。
ストック型は景気の影響を受けないサービス。
今回のIR資料はプロジェクト型のサービスが好調だった、という発表ですね。
気になるのは、売上のうちコンサルだけで終わった案件とDXに繋がった案件と2種類あるはず。
そして売上の増加率17.6%からコンサルだけで終わった案件を引くと、17.6%より売上の伸びは小さくなるはず。
それなのに営業利益・経常利益は大きく伸びている。
つまり「DXに繋がった案件がいかに高利益率であるか」、という事が確認できました。
当期純利益の有価証券評価損がなければ1株当たり当期純利益はもっと行っていたと思います。
何に投資しているのかはわかりませんが、もったいないですね。
ただ、この資料を見ていたら当方はIRJの大型案件獲得の資料を思い出しました。
当時のIRJは株価が停滞していたので、それを察知した会社側が「これだけの収益がある予定なので心配しないでください」というメッセージにも受け取れました。
その資料に書かれていた文章から読み取れる自信が、LTSの資料にも感じられたのです。

LTSももう少し強気予想を出してもいいと思うのですが、業績が拡大するにつれて樺島社長も強気スタイルになっていってほしいですね。
2025年の崖を見据えて
2025年の崖とは?
日本企業が使っているシステムは古いものが多いので、2025年以降もそのままだと
2025年から30年までに年間で12兆円もの損失が出るとされている事。
それらを解決する手段がDXとなっています。
しかし、2025年までにITに詳しい人材が43万人不足されていると言われ、人材の取り合いになることは容易に想像できます。
取り合いになれば単価も上がるので、樺島社長がプラットフォーム事業に力を入れているのはこの為ですね。
民間企業は基本的には競争していますが、業界全体が衰えてしまっては競争なんてしている場合じゃありません。
各々独自で頑張っているだけでなく、それらの企業をつなぎ合わせ、業界全体を盛り上げていく存在がカギとなるでしょう。
社長の発言を聞いているとよく「協業」という言葉が出てきますが、上記のような意味を考えると
LTSの思想や立ち位置は結構重要なんじゃないでしょうか。
それならなおさら社長には強気に自分を出していってほしいですね。
まとめ
2020年12月期は絶好調だった。
21年期は先行投資が続くが、上方修正でさらに成長する見込みがある。
「2025年の崖」を乗り越えるために、LTSの存在は重要。
以上、簡単ではありますが、LTSの2020年12月期本決算の分析をしました。
2/17日現在で株価は3900円前後で推移していて、ホルダーとしてはストレスがたまる日々ですが、
この記事を書いているうちにLTSの将来性を再確認でき、不要な情報に惑わされないようにしたいと思いました。
コロナが突然やってきたようにIT革命もある日突然やってくると思います。
その時LTSの業績が大きく飛躍することを想像しながら待っていたいと思います。
この記事が皆さんの参考になればうれしいです。
ありがとうございました。