
今回はそんなお悩みにお答えします。
アイ・アールジャパン(以下IRJ)を無名時代から保有し、今年800万円の利益を得たshigeです。
今の相場はバリュー株有利ですが、個人投資家をやるなら時間を最大限に生かした成長株投資が良いですよね。
そこで今回は、前回の記事では賄いきれなかったミネルヴィニのファンダメンタルズについての考え方について触れておきたいと思います。
数字が苦手な当方が理解できるなら他の方も理解できるはず、という視点でお送りします。

この記事の内容
ミネルヴィニのファンダメンタルズについての考え方
当方の保有株を検証
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目次
利益の成熟サイクル
会社の利益と株価の関係を表した図です。
これを見ると図の左半分と右半分で内容が正反対になっていることが良くわかります。
前回の記事で取り上げたテクニカル分析と、今回のファンダメンタル分析を組み合わせれば
より正確な注文タイミングを計ることができると思います。
また、企業の発表より先に株価が動くのでその点は注意が必要です。
機関投資家が好む条件
・サプライズ決算
・売上高とEPSの加速
・利益率の上昇
・過去の水準を超えるEPS
・年間EPSの大きな上昇
・今後も売上高とEPSの加速が続きそうな兆候
個人投資家の力なんて微々たるものですから、株価上昇の為には機関投資家の力がどうしても必要になります。
上手くその波に乗れれば億り人も夢じゃありません。
昨今はロボットが取引をするので短期売買を行っている人にとってはやりづらい相場であると思います。
しかし、最終的に株価はおおむね業績に連動することは不変だと思います。
だから機関投資家が好む条件というのを把握しておきましょう。
サプライズ決算とは?
業績予想より実際の数値が良ければポジティブサプライズ、業績予想より実際の数値が悪ければネガティブサプライズ
この場合大幅赤字の予想だったのが小幅な赤字で済んだ場合はポジティブサプライズの内に入る。
逆に、大幅黒字だったのが小幅黒字にとどまるとネガティブサプライズ。
ただ、最近の企業はIR活動を積極的に行うので、サプライズという意味では薄まってきているのではないかと感じています。
当方個人としては、普段あまり情報を出さずに決算発表の時に上方修正、中期経営計画、新規契約締結など小出しにしていってほしいです。
特に調整相場の時に無理やりIRを出すと瞬間的に株価が上がったとしてもすぐに下落しますので、
貴重な情報の乱用は控えていただいた方がうれしいのですが。

大事なのは業績の拡大スピードが持続されているか?
そういう意味ではコンセンサスが出されていない銘柄を買うのもひとつの手かなと思います。
売上とEPSの関係
オニールの投資法では
・売上が直近四半期に25%以上増か、もしくは直近3四半期で加速している
・売上と利益が3四半期で急速に伸びている
ミネルヴィニの投資法では
・成長株投資で成功しているマネジャーの多くは、過去2~4四半期に、前年同期比で最低でも20~25%の増益率を条件にしている
・本当に成功している会社はたいてい、急成長期に30~40%以上の増益を発表する
を良しとしています。
まとめると
EPSが2~4四半期連続で20~40%増加しているかどうかが大事。
その際売上も直近四半期で25%以上増加しているか確認する。
EPSと売上の関係はオニールの時にも書いた通り必ずセットで増加していることが鉄則です。それも大幅増加で。
具体的な数字に関しては微妙に違いますが、おおむね四半期単位で20%以上の増加が望ましいようですね。
尚、オニールの時はまず年間EPSの増加から四半期単位でのEPSの増加を調べようと当方は書きました。
経験則だとどっちから調べてもいいと思いますが、初心者の方は四季報から調べた方がやりやすいと思いますので、「年間EPS → 四半期EPS」の順で見る、
慣れている方は「四半期EPS → 年間EPS」の順で見る、のがセオリーかと。
IRJとLTSはどうか?
IRJの20.3期の売上とEPSの推移を見ていると、売上の増加率も霞んでしまうほどEPSの伸びが素晴らしいです。2Q 以外は全て100%以上の伸びです。
これは何度も書いている通り大型案件の獲得によるもの。
コロナショックで不安になり当方は売ってしまったのですが、本決算4Q の発表ではなんとEPSが250%の増加です!
保有していればテンバガーだったのに・・・。オニールとミネルヴィニの理論の裏付けが取れましたね。
一方のLTSも今期3Q 時点で、前年同期比で売上・EPS共にほぼ50%越えを達成しています。
何かのきっかけで大きくブレイクする事可能性は高いですね。期待です!
決算の数字が良かった時の理由を調べる
新製品や新サービスがあるか、あるいは業界に好ましい変化があるか?
企業の需要は30年。
30年経つと世代交代がある、お客さんの要望が変わる、人々の考え方が変わる。
最近は変化が速いのでもっと短くなっているはずです。
だから1つの事業で生き残っていくのはまず不可能でしょう。
IRJならアニュアルレポートなどの印刷 → 実質株主判明調査 → 投資銀行業務 へ事業転換をしています。
2015年にコーポレートガバナンスコードが改訂され、企業はもっと積極的に投資家に向けて情報を発信していかなければならなくなりました。
持ち合い株式も年々解消され企業にとって安定株主の確保が必須となったこともIRJに追い風です。
現にIRJは2019年、1件5000万円以上の案件を23件も獲得したことによりEPSが2.5倍になりました。
LTSならDXの部分支援 → DXの包括支援 → IT人材のマッチングサイト運営 へ移行
慢性的な人手不足による業務の効率化、そして政府による働き方改革の推進により企業のデジタル化の波が押し寄せています。
そしてコロナ禍による急激なデジタル化。
コロナはいつか収まるでしょうが、人手不足という状況はこれからも続くのでLTSにとっては追い風です。
シェアを拡大しているか?どの市場も最終的には2~3社に絞られる
シェアが拡大していれば唯一無二のサービス・製品を提供できているという証拠。
また、シェアが拡大すれば他社と競争する場面が減る。
売上・利益の向上にとってこれはとても重要な事。
自動車業界だとトヨタ、ホンダ、スバル。
スマホだとドコモ、au、ソフトバンク。
コンビニならセブンイレブン、ファミリーマート、ローソン。
製品やサービスが庶民に行き渡り売り上げが伸びなくなってくると、品質で差をつけることが難しくなり
値下げ勝負になります。
そうなるとシェアの大きい企業の方が有利で、大きい企業が小さい企業を買収する。
いわゆるレッドオーシャンという状態ですね。
その分野の創成期に業績拡大をしている企業に投資をするのがセオリーだと感じました。
その会社は売上と利益を伸ばすために何をしているか?
当方が保有する銘柄はコンサルティングが多いので、「人材に投資しているか?」が重要な項目です。
製造業だったら工場の増設、小売業だったら店舗の拡充、旅行業なら新規キャンペーンの実施、
運送業なら荷物の種類の拡充がそれに当たる思います。
売上以上の利益は出ないので業種を問わず売上の増加がポイントになるでしょう。
その会社は経費を削減して生産性を向上させるために、何をしているか?
原価の見直し、生産工程の見直し、不採算店舗の閉鎖、不採算事業の廃止、定型の事務作業をロボット化、客単価の向上
仕事内容の選別など
目先の利益だけを考えれば依頼のあった仕事は全部引き受けて四半期の数字をよくすることもできます。
ただ、長期的に見ると手間ばかりかかってしまい全員が不幸な状態になることもあり得ます。
事業会社、顧客双方がwin-winの状態になれるように場合によっては仕事を断り、本当の意味で評価されるようにする事も大事でしょう。


評価される → 再度仕事の依頼がある → 契約が長期化する → もっと評価を得る → 契約が大型化する → 売上・利益・EPSの拡大
この形が理想です。
まとめ
ミネルヴィニの成長株投資法②
利益には成熟サイクルがある
機関投資家が好む条件がある
前年同期比でEPSが20~40%増加を狙う
決算の数字の内容を調べることが大事
オニールとミネルヴィニは成長株投資をやる方なら必読の本というのが感想です。
書評を書く時は自分の取引を振り返ることが多いのですが、いかに自分が高値掴みをしているか感じました。
だからこそIRJを無名時代から保有できたことがキャリアハイに思え、当面はそれを越える事が目標です。
記事の中にある数字やデータに間違いがあるかもしれないので、気になった方はぜひご自分でも原書に当たって確認してみてください。
本の内容が一部しかわからなくても読む前より読んだ後の方が絶対レベルアップしていますから。
ありがとうございました。