LTSが反転を始めたのがうれしい一方、IRJが下方修正を出したのが多いに残念なshigeです。

この本はamazonで検索している時にたまたま見つけたのですが、
名前だけは聞いた事があるけどよく知らない投資家について、
折角だから勉強しようと思い手に取った次第です。
具体的な投資法がわかるわけではないのですが、
考え方が近い投資家を見つける事で、
成功に近づけると思います。
ということで、
この記事では読んでいて特に気になった
ジム・ロジャーズとフィリップ・フィッシャーについて取り上げます。
この記事の内容
投資家を並べる
ジム・ロジャーズ、フィッシャーについて
こんな方におすすめ
- 投資スタイルが決まらない方
作者紹介
桑原晃弥
1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。
慶応義塾大学卒。業界誌記者などを経てフリージャーナリストとして独立。
トヨタからアップル、グーグルまで、業界を問わず幅広い取材経験を持ち、
企業風土や働き方、人材育成から投資まで、鋭い論旨を展開することで定評がある。
(本書より抜粋)
7大投資家達を独自に並べる
7人の投資家達を当方独自の見解で、
投資家⇒投機家の順に並べると以下の様になります。
当然反論があると思いますが、
投資スタイルを決める時の参考にしてください。
ただし著者も言っているようにこの7人の投資家達は、
投資スタイルこそ違うものの、皆「自分で考え行動している」
という点は共通しています。
また余計な情報に翻弄されないようにウォール街から距離を取っているところも面白いですね。
バフェットはオマハ、ジム・ロジャーズは自らバイクや車を運転して
世界の市場をその目で確認しています。リバモアはやや事情が違いますが、一度ウォール街から離れています。
特に今はインターネットがありますから、
昔に比べて必ずしも都会に出なくても最新の情報が入りやすくなっています。
もちろんそれらの情報は良くも悪くもバイアスがかかっているので、
最終的には自分の目で確かめなければいけませんが、昔に比べると住んでいる場所による情報入手の格差は小さくなりました。
また、
ポイント
試行錯誤で投資をしていると徐々に自分のスタイルが確立されてくるので、
以前の様に雑多な情報はいらなくなります。
当方の様に中長期投資からならなおさら日々の細かな情報はいらなくなり、
決算後に数字と成長性を分析する程度の情報があればよくなります。
注意すべきはツイッターなどSNSを駆使して投資情報を仕入れている人。
一見すると敏腕に思えますが、結局みんなと同じ情報に触れているだけなので、
情報を発信した人が喜び、本人は「イナゴ」の仲間入りです。
投資で必要なのは情報量ではなく「自分に必要な情報を仕入れてそれを吟味すること」です。
ジム・ロジャーズ
ヤフーニュースでも時たま取り上げられるジム・ロジャーズ。
日本に対してネガティブ評価なのは、本音では日本株を狙っているからかな。
バフェットの様にドカンと買って欲しいですね。
当方もあまのじゃくな所があるので、日本人に人気なバフェットより他の投資家の考えが気になるのです。
誰かのピンチは誰かのチャンス
「ロジャーズの言う「大きな変化」は世界規模、国家規模である必要はない。それぞれの業界にとっての数十年に1度の変化はしばしば起きており、そこにチャンスがあるというのがロジャーズの考え方だ。 p105
上記は著者の言葉です。
本の中のビッグチェンジの例としてブラジルの経済成長が挙げられていました。
ブラジルはこれまで鶏肉やコーヒーを輸出することで国を支えていましたが、
経済発展するに従いそれらを自国で消費し、国際価格が値上がりするという事態になりました。
だから先廻して買い占めよ、ということですね。

テンバガーになる条件の一つとして「会社のビッグチェンジを捉える」というものがあります。
例えば大型案件獲得、規制緩和、経営陣の刷新、M&Aなどです。
現にIRJはコーポレートガバナンスコードの改訂をきっかけに、
投資銀行業務に力を入れ始め、
2019年大型案件を獲得。株価がうなぎ上りになりました。
ただし、ネガティブな意味でのビッグチェンジもあり、
コロナによる営業活動の制限はその例です。
逆にLTSはコロナの影響をプラスに転換できました。
自粛が続くことで経営の効率化を迫られた大企業はDXへの投資を加速。
ITリテラシーや人材不足も手伝ってLTSへのコンサル依頼が増えました。
DXというテーマは2030年まで続くと言われています。
今後がワクワクですね。


株式分割はするべきか?
「需要と供給の法則を覆した者はいないし、これからもいまい」 p90
ページは前後してますが、先の言葉とつながります。
何かの値段が上がれば需要が減ったり、代用品が生まれたり、そもそもその製品を使わなくなったりします。
そうなると値段が下がります。
本の中の例題では
原油価格が上がれば人々は低燃費の車を求め、シェールガスの様な代替エネルギー開発が進む。
とありました。
給料が低いから車を持てず、家の中で楽しめるゲームとかスマホなどにシフトする、というパターンもありますね。
だから「価格が高騰しているうちに売れ、大衆の逆を行け」、ということです。
そういえば昨今のコロナ不景気の影響を受けて、
ギャラの高い大物司会者の降板、若手司会者の抜擢が目立ちます。
若手司会者はギャラもそうですが、まだまだ自己主張も控えめなので番組側としては使いやすいのでしょうね。
まさに「価格が高騰すれば代替品が求められる」の典型です。
そういう意味で言うと株式分割はした方が良いのか?、という疑問が湧いてきます。
一般に株式分割をすると必要な資金額が下がるので個人投資家は参入しやすくなります。
当然買えば株価が上がります。
ただ、個人投資家が良くやる”信用買い”が程度貯まってくると、機関投資家の空売り対象になってしまいます。
だから当方は株式分割は最低1万円越えるまではしなくていいと思っています。
しかし、無駄にひっぱると需要はあっても買えない人が増えるので、
他の銘柄に投資家が映ってしまいます。
やっぱり1万円ですかね、分割するとしたら。
注文を出すタイミングも需要と供給
何度も出しているLTSの5年チャート。
当方が初めて買ったのは昨年の10月なので完全に「需要と供給」を無視していますね。
ド天井で買っていますw
ただそのおかげで、「週足5年で見ておけばどのテクニカルチャートもある程度信用していい」と確認できました。
短期チャートに比べ買いサイン・売りサインの出るタイミングは若干遅くなりますが、
その分は2,3週早めに注文を出せばいいだけの事。

社会の動向とテクニカルな動向双方で、
需要と供給の法則を踏まえて行きたいですね。
フィリップ・フィッシャー
以前の記事でも取り上げたバフェットの2人の師匠の内の1人です。
グレアムは定量面、フィッシャーは定性面でバフェットに影響を与えています。
グレアムの投資法の特徴は、「関係者への聞き込み」なので、
一般人には実現できない事もあります。
ただ、聞き込みに至るまでのプロセスは弱小投資家でも大いに参考になります。
成功は多大な徒労の上に成り立つ
フィッシャーが訪問するのは十分に下調べを行い、周辺への聞き込みを経て、相当絞り込まれた企業である。
つまり、フィッシャーが訪問して話を聞く段階では「投資したい」と決断する可能性はかなり高くなっており、そのためこの数字になるというわけだ。それに対して「調査してみたい」と考える企業に対する投資割合は、250社のうち1社くらいになる。 p137より
ある大手投資会社の代表二人がフィッシャーに、
「あなたが新たに訪問した企業の中から、どのくらいの割合で実際に投資をする企業が出てくるのですか?」と
質問しました。
答えは「2社ないしは2.5社のうち1社」。
ただ、実際は上記の通りの条件が付いているのです。

その分オリジナルな情報を入手できるということでもあるので、
ある意味現在よりも投資をしやすい時代だったのかなと思います。
現在は株探などのサイトを使えば、「調査をしてみたい」と思えるまで絞り込むのは簡単ですね。
自分の得意ジャンルを加味すればさらに楽になります。
じゃあどこで他の投資家と差をつけるか?
それは

取引先や現場の社員の様子はわかりませんが、それでも数字だけを追っているのとは違うと思います。
企業の全体像を知っているのはその企業の社長やIR担当者です。
ポイント
彼らの表情とか言い方には無意識に会社の経営状況が現れると思うので、
そこからどれだけ有益な情報を読み取れるかが勝敗の分かれ目だと思います。
それでもよくわからない時は
・少しずつ買う
・ダメな時は利確、損切を機械的にする
など自分でできる対策をすることでカバーすることが肝要です。
まとめ
・7大投資家と言っても投資家と投機家がいる
・伝説の投資家はウォール街から距離を取る
・需要と供給の法則を覆すことができる人はいない
・成功は多大な徒労の上にある
わずか2人を紹介するだけで3000文字を越えてしまいました。
個人的に参考になったのはそれまで蝶ネクタイの怪しい投資家という印象のジム・ロジャーズが、
当方と考え方が似ていていた所です。
そのうち彼の書評もしてみたいと思います。
ありがとうございました。