LTSがF1ではなくラリーカーの様な企業を目指していることにいたく感動しているshigeです。
今回はIRJの22年3月期の業績予想について分析してみたいと思います。
周知のとおりIRJは先月下方修正を発表しました。
年度内に終了する予定だった大型案件が22年期にずれ込んだ為、と言う事なので
心配はいらないというのが一般の見方でしょう。
しかし投資家は心配するのが仕事のようなところがあります。
だから当方の個人的な予想を記事にしてい見たいと思います。
あくまで参考程度に考えてくださいね。
この記事の内容
業績予想を受けて将来性を分析
参戦タイミングについて
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業績予想について
IRJの22年3月期業績予想
売上・・・120億円 営業利益・・・60億円 経常利益・・・59.9億円 親会社株主に帰属する当期純利益・・・40.5億円
これを見てまず素直に予想が発表できてよかったと思いました。
昨年はコロナの影響で業績予想は未開示。
投資家が嫌うのは好材料でも悪材料でもなく、「見通しが効かない」事。
悪いなら悪いで早くアク抜けしてほしいのが心理です。
その点今年はしっかり開示してきました。
ただし、冷静に分析すると四季報予想とほぼ同水準なので、
「期ズレした分マイナスなのでは?」という気がします。
売上・・・120億円 営業利益・・・58億円 経常利益・・・58億円
親会社株主に帰属する当期純利益・・・39億円
もしかすると期ズレの分を含めてこの数字で、
今期新しく獲得できる見込みの案件については、
現段階では予想に入っていないのかもしれませんね。
それならそれでいいのです。
今後発表されるクウォーター毎の決算で「実は想定外に好調でした」という
パターンでも構いません。
増益率は?
下方修正後の業績を基準にすると
売上・・・44.8% 営業利益・・・47.0% 経常利益・・・47.1% 親会社株主に帰属する当期純利益・・・44.5%
といずれも増加となっています。
ただ下方修正”前”の21年期の業績は
売上・・・97億円 営業利益・・・47億円 経常利益・・・46.9億円 親会社株主に帰属する当期純利益・・・31.5億円
でしたから、それと比較すると22年期の業績は概算で
売上・・・23.7% 営業利益・・・27.6% 経常利益・・・27.7% 親会社株主に帰属する当期純利益・・・28.5%
の増加になります。
44%以上の増加が27%にまで下がる。
当方の個人的な考えでは、

しかし、IRJはこれまで株価が右肩爆上がりの状態でしたから、
株主たちのハードルも高くなっています。
掲示板を見てみると「コンセンサスや目標株価に届かない空売りだ!」と
言った書き込みが目立ちます。
でも営業利益率50%越えは不変ですから会社内はうまく回っていると思います。
決算短信を見ても外部環境は良好のようです。
だから短期的には分かりませんが、
中長期で見て行けばしばらくは安定して業績が伸びると予想します。
新子会社について
新しく設立したJOIBという子会社。
決算説明資料によると売上は20億円を予定しているらしいです。売上の約17%に当たります。
特にこの会社の設立によって今までIRJが得意ではなかった企業買収における「M&Aエグゼキューション」という業務が可能になったとの事。



企業買収時に売り手と買い手が出会ってから成約するまでの事をエグゼキューションというらしいです。
一連の手続きは複雑なので弁護士や会計士・税理士などの専門家が必要で、それをサポートすると言う事かなと思います。
コンサル業は一般人にはなじみがないので理解するのが難しいですね。
今までのIRJは企業買収時の攻防だけをPA・FAで支援していたけど、これからは一気通貫でやれるようになった、
と当方は解釈しました。
工場で言えば今までは製造だけをやっていたけど、
これからは運搬や納品、クレーム対応なども行うように思えました。
決算短信を見てみると
大再編時代圧倒的な実績を有する当社グループの支配権争奪ならびにアクティビスト対応に関連するPA・FAの要請は極めて高く、とりわけオフェンス側での受託が急速に増加することが見込まれます。さらに、企業再編・事業再編の最終局面である企業側FAエグゼキューション業務においても、新設した株式会社JOIBが第1四半期内で専門人員・組織体制が整うことで、
大型プロジェクト受託増加に弾みがかかることを期待しています。決算短信p3より抜粋
JOIBを立ち上げたのが2月。
それが今四半期に体制が整うのは驚きですね。
執行役員の経歴を見てもメリルチンチや三菱UFJ・野村証券などそうそうたる企業の名前が掲載されています。
よくぞIRJに来てくれました。
実質株主判明調査で買収の情報を仕入れ、PA・FA業務で買収を制し、JOIBでアフターフォローをする
この一連の流れが時代に合っているのではないかと思います。
素人の考えですが、企業買収って一度やったら終わりの「売り切り型の商売」。
だから案件が発生したらなるべく多くの利益が出せるようにすべての作業を自前でやれるようになるのは、
業績にとっていい事なのではないでしょうか。
それに自前なら対応が早くできますし、お客さんから見てもアフターフォローだけ別の業者に頼む、なんていう手間が省けて
一石二鳥ですね。
チャートについて
2021年5月11日現在のチャートです。
ボリンジャーバンドは横ばい、MACDは下げトレンドですね。
RCIも下がり始めています。
セオリー通り考えると買うタイミングは
・ボリンジャーバンドの-2σに株価が触る(バンド自体が収縮していれば尚良し)
・MADCのマイナス圏に短期線・長期線が入る(短期線だけでも可)
・MACDにヒストグラムが濃緑⇒薄緑になる
・RCIが-80まで落ちてから反転する
今までだと決算発表後は暴落でしたが、本日2021年5月11日は日経が900円以上下げた割に、
IRJは-300円、率にして-2.28%で踏みとどまりました。
下方修正の時に下げたからダメージが小さかったのでしょうね。
最も1日だけで判断するのは危険ですが、
前回記事と同じで、
現状は買うタイミングではないです。

コロナの事もありますし、2Qまでは無理せず業績の進捗状況に注視するスタイルでよさそうです。
まとめ
・業績予想については無難
・新子会社に期待できる
・チャート面では買うタイミングではない
全体的な印象は、「掲示板で騒がれているほどひどい業績予想ではなかった」ですね。
短期的には株価は下がるでしょうが、中長期では子会社が成果を出してくると思うので、
じっくり待ちたいと思います。
保有歴が長い方ですと、今までのIRJの様に上方修正・自社株買い・増配のセットを意識してしまいますが、
そこは諸行無常。
成功体験は1日も早く忘れましょう。
良い企業であることは間違いないのでこれからも引き続き応援と注視を継続して行きたいと思います。
ありがとうございました。