書評 株式投資

より実践的な内容へ ミネルヴィニの「成長株投資の神」 書評③

2021年2月4日

成長株投資の神」の書評、第3回目です。

 

IRJを無名時代から保有し800万円の利益を出したshigeです。

ミネルヴィニやその仲間たちの実践的な手法を楽しく学んで取り入れていきましょう。

 

この本は全部で11章からなっていますが、今回は6章と7章を紹介します。

彼らは4人共チャートを重視するので、第4章は本の中でもページの割り当てが多くなっています。

 

 

この記事の内容

株式市場全般

仕掛けの基準

この2点を紹介します。

 

同じ著者でも1冊の本で語り切れることは限られているので、続けざまに2冊、3冊と読んでいると答えが見つかったりします。

鉄は熱いうちに打て、の言葉通り疑問を忘れないうちにさっさと解決しちゃいましょう。

 

 

成長株投資の神    著者 マーク・ミネルヴィニ   訳 山田雅裕

監修  長尾慎太郎    3080円

 

 

著者紹介

マーク・ミネルヴィニ

数千ドルから投資を始めて、口座残高を数百万ドルにした。

自分のSEPAトレード法の効果を試すために、1997年に25万ドルの自己資金でUSインベスティング・チャンピオンシップに参加し、

155%のリターンを上げて優勝した。また、自らはSEPAトレード戦略を使って、5年間で年平均220%のリターンを上げ、

その間に損失を出したのはわずか1四半期だけだった。

投資講習会などの啓蒙活動も精力的に行っている。ウォール街で30年の経験を持つ伝説的トレーダー。

 

要約

ミネルヴィニを始めとした4人の投資家が一般投資家からの質問に答えるというインタビュー形式の本。

経験も立場も違う4人なので同じ質問でも微妙に答えが違うところが面白い。

一般の投資本はノウハウの記述に終始しているが、この本はそのノウハウを使えるようになるための

筋道を示しているところが特徴。

 

本の構成は以下の通り

第1章 はじめに

第2章 銘柄選択

第3章 ポジションサイズ

第4章 テクニカル分析

第5章 ファンダメンタルズ

第6章 株式市場全般

第7章 仕掛けの基準

第8章 リスク管理

第9章 トレード管理

第10章 心理

第11章 最後に

 

登場人物はミネルヴィニの他は以下の3人です。

デビッド・ライアン・・・ウィリアム・オニールの弟子でオニール社の元マネーマネージャー。オニールを直接補佐して、機関投資家M家の資金管理と銘柄選択の責任者になった。

ジャック・シュワッガー「マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣」で取り上げられている。

ダン・ザンガー・・・1990年代後半のわずか18か月で、1万775ドルを1800万ドルまで増やしたことが納税申告書で確認されている。リターンは16万4000%にも達する。

マーク・リッチー二世・・・「マーケットの魔術師」にも取り上げられた有名なマーク・リッチーのっ息子である。6か月以内に100%のリターンを達成して、マーク・ミネルヴィニの2010年度トリプル・ディジットチャレンジで優勝した。

 

 

 

 

株式市場全般

株式市場全般の項の要点はこちら

森より木を見る事

 

相場の動きなんて誰もわからないのだから、それに一喜一憂するのは無駄。

どんな時でも成長し続ける企業を見つけるのが投資家の仕事なんです。

 

個別銘柄の動きが最も大事

p134で

 

「市場全般の動きを自分のトレードの指標にして、タイミングを計ろうとしますか?観察している市場の尺度か指標はありますか?」

 

という質問に対して

ミネルヴィニ・・・あまりありません。私の主な関心は個別銘柄です。トレードしたい銘柄がなければ、指標やモデルが何を伝えていようと、あまり重要ではありません。

ライアン・・・市場全般の動きに影響されて、個別銘柄に弱気や強気になり過ぎないように注意する必要があります。

ザンガー・・・チャートと先導株、それにそれらがどう動くか以外にに魔法の指標はありません。。

リッチー二世・・・騰落ライン、新高値、新安値指標、主要株価指数の出来高、センチメントなど、私が見ている市場全般の指標があります。しかし、どれもタイミングを計る指標としてではなく、補助的な指標として使っています。

と答えています。

 

 

指数に投資しているなら市場の動きは常にチェックする必要があるでしょうが、個別銘柄に

投資をしている場合なら、その銘柄が上昇・横ばいの間は保有を続けるのが本筋です。

 

特に当方の様なファンダメンタルズを軸に投資をする場合は、業績の伸びが鈍化してないのに

売る必要はありません。

買った理由が「業績が伸びているから」であれば、売る理由は「業績が伸びなくなったから」が妥当で、

市場の下落だけで保有株を売るなんて理屈が通りません。

 

 

「いらないものと一緒に、大事なものを捨てるな」という事です。

 

ただし、4人とも市場の動きをまったく気にしないという事でもなく

保有銘柄が下落したら

・含み益がまだあるなら逆指値を引き上げて利益を確保する

・含み損の銘柄から売る

などの対策はしているようです。

 

 

ポイント

市場の動きは気にしながらも、あくまで個別銘柄の動きで売買する

 

 

 

試し買いで先回りする

p143で

 

「市場でインベスターズ・ビジネス・デイリー紙のフォロースルーデイが現れる前に、ある先導株がしっかりしたチャートパターンから上にブレイクするのを見たら、それを買いますか?買うのなら、フォロースルーデイが現れる前に限度いっぱいまでポジションを取りますか、それとももっと保守的でいますか?」

 

という質問に対して4人は

ミネルヴィニ・・・私はどんな株価指数や指標や記事よりも、個々の銘柄を頼りにします。

ライアン・・・市場が上昇トレンド出なければ、私はとる予定のポジションの10%ではなく、5%から始めるかもしれません。

ザンガー・・・出来高が多くて、決算内容が良ければ買うけど、限度額いっぱいではなく50%にとどめ様子を見る。(意訳)

リッチー二世・・・試し買いはするけど投資額は減らす。(意訳)

と答えています。

 

 

4人とも先の質問と同じで考えはブレません。

「先導株は市場が大底をつける前に動き出す」と考えているので、乗り遅れないように試し買いをするようです。

ただし損しないようにポジションは最小限にしています。

 

当方もこの4人の考え方には賛成です。

 

市場の動きは政府の政策、金利、為替相場、諸外国の事情などによって変動しますが、

それを正確にピンポイントで予想できる人はいないでしょう。

 

 

その証拠にミネルヴィニは

大部分のトレーダーはいわゆるマーケット、主要株価指数を無視して、個々の銘柄に焦点を合わせた方が、はるかによくなると私は思います。   p144より

と発言しています。

 

株価の流れを決めているのは機関投資家。

彼らがその情報力をもってして、「市場全体が売り枯れた」と判断したら先導株を買い漁るのでしょう。

そしてそれを賢明な個人投資家が気付き、随分遅れて普通の投資家が気付き株価上昇に勢いがつくという流れ。

 

結局、誰でも自分が保有している株が上がってくれればいいんだ。

 

 

ちなみにその機関投資家が好む条件は以下の通り

サプライズ決算

売上高とEPSの加速

利益率の上昇

過去の水準を超えるEPS

年間EPSの大きな上昇

今後も売上高とEPSの加速が続きそうな兆候    ミネルヴィニ「成長株投資」p174より

 

 

そしてフォロースルーデイとは

調整局面から上昇相場に転換する日のこと

 

 

 

ポイント

市場が底値を付ける前に先導株は動き出すので、試し買いをして乗り遅れないようにする。

 

第6章株式市場全般のまとめとしては、

メディアの様に1年中「日経平均が・・・」「雇用指数が・・・」「円高だ、円安だ」と一喜一憂する必要はない。

個別銘柄の動きを軸にして不足している部分を株価指数で補う程度で良い、という事。

 

まあ、あの人たちは騒ぐのが仕事ですから個人は情報を冷静に分析してできる範囲で対策していればいいと思います。

 

 

仕掛けの基準

仕掛けの基準のまとめはこちら

農業の感覚で気長に取り組む

仕掛けの基準はつまり、ベースを形成した後のピボットポイントや押した後に上げている時なのですが

その他の質問が興味深かったのでご紹介します。

 

 

プロは2~3回買い直しをする

p158で

「損切をして間もない銘柄を、またトレードすることはありますか?」

 

という質問に対し、4人は

ミネルヴィニ・・・逆指値に引っかかって損切りさせられた銘柄をまた買う事はよくあります。

ライアン・・・私は損切りの逆指値に2回引っかかったあと、3回目の買い直しで非常に大きな利益を得たことがあります。。

ザンガー・・・私は買い直しますし、これまでに何回もそうしています。

リッチ―二世・・・もちろんします。プロと初心者の大きな違いは、思惑通りに動かなった相場についての考え方にあると思います。

と答えています。

 

自分が買い注文を出した銘柄はしっかり調べて「値上がりする」と判断しているはずです。

それを予想と違って値下がりしたからもう二度と買わないなんて道理があると思いますか?

株価は短期的には他の投資家の思惑で動くので多少の上下はあって当然です。

 

 

それに新しい銘柄を買う為にはまたチャート分析やファンダメンタルズの分析を行わなければいけないので、

二度手間になって面倒です。

 

それならしっかり調べた銘柄に何度も買い直しの注文を入れる方が効率が良いのではないかと思います。

 

 

 

当方がIRJを買った時もそうでした。

最初に買ったのは2017年5月の1200円台で700株。

しかし、当初は全然値動きしなかったので、同年の8月に一旦全部売却しました。

 

その後他の銘柄を分析したのですが、これと言って買いたい銘柄がなく、10月に再度IRJを1800円台で800株新規で買いました。

 

翌年、ダブルバガー&株価45%がありながらも2019年は右肩上がりの上昇。

2020年はコロナショックで大幅下落したものの株価は1万円台を楽々突破。

 

最初の700株をそのまま持っていれば10月に買った800株と合わせて1500株になります。

2分割で3000株。現在値で1株あたり17000円ほど上がっているので、含み益は5100万円になる計算です。

 

業績・財務が良ければ何度でも買い直しした方が良いという事を身をもって知りました。

一時の値下がりなどで動揺せず、最低3年は保有するつもりで投資することをおすすめします。

 

ポイント

プロと素人の差は狙った銘柄が値下がりした時の対応にある。プロは2~3回買い直しの注文を出す。素人は1回の値下がりであきらめる。

 

 

ギャップを開けた時は買わない

165pで

 

「ギャップを開けてあげたときに買いますか?」

 

との質問に、4人は

ミネルヴィニ・・・株価が私の買いポイントを2~3パーセント以上ギャップを開けて上げたら、その銘柄には手を出しません。

ライアン・・・買いポイントと判断した水準を超えてギャップを空けたら、めったに買いません。

ザンガー・・・通常は私の買いポイントよりも5%以上も上げたら、その銘柄は買いません。

ニッチー二世・・・ギャップアップで買う事はめったにありません。

と答えています。

 

4人とも自分が描いたシナリオ通りにトレードするので、それ以外の時は様子見をするのが基本ですね。

短期トレードは「ギャンブル」なんて言われていますが、この4人の考え方は実に堅実だと思います。

 

ギャップアップ(窓を開けて寄り付き)すれば、おおむねその分値下がりをして元の水準かひどい時にはもっと下がります。

 

 

確かに以前だと、サプライズ決算を発表してギャップアップしてそのまま値上がりを続けるなんて事もありました。

しかし、最近はコロナ以降に投資を始めた「絶好調の相場しか知らない人」が増えて、慌てて飛びついた後機関投資家に空売りを浴びせられるという構図が目立っています。

そんな素人投資家の「信用買い」によって、真面目に企業を応援しようとしている人がどれだけ被害を被っているか。

 

事態が鎮静化するまで様子見が正解です。

 

そして「ベースとピボットポイントを抜けて、出来高を伴ってブレイクアウトする時に買う」

これが鉄則です。

 

つまり「何事も牛歩で少しずつ」です。

 

 

 

ポイント

ギャップアップした時は買わない。ベースとピボットポイントを抜けてきた時に買うのが鉄則。

 

まとめ

・株式市場全般に関しては「市場より個別銘柄の動きが大事」「試し買いで先回りする」

・仕掛けの基準に関しては「プロは2~3回買い直しをする」「ギャップを開けた時は買わない」

 

トレード中にはいろんな疑問が湧いてきますが、こうやってひとつひとつ言語化できている投資家たちは素晴らしいですね。

いい意味で4人ともドライというか芯がブレません。

 

書評記事はまだまだ続きます

 

ありがとうございました。

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    shige

    年齢 アラフォー

    住居 愛知県

    職業 個人投資家 ブロガー

    町工場勤めから今年本格的に個人投資家へ転身。 中長期投資なのでファンダメンタルズを重視しています。

    このブログで自分の成功体験・失敗談・ノウハウを公開していきたいと思います。初心者の方に参考にしていただけたら嬉しいです。

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