書評 株式投資

より実践的な内容へ ミネルヴィニの「成長株投資の神」 書評②

2021年2月1日

成長株投資の神」の書評、第2回目です。

 

IRJを無名時代から保有し800万円の利益を出したshigeです。

ミネルヴィニやその仲間たちの実践的な手法を楽しく学んで取り入れていきましょう。

 

この本は全部で11章からなっていますが、今回は4章と5章を紹介します。

彼らは4人共チャートを重視するので、第4章は本の中でもページの割り当てが多くなっています。

 

 

この記事の内容

テクニカル分析

ファンダメンタルズ

この2点を紹介します。

 

同じ著者でも1冊の本で語り切れることは限られているので、続けざまに2冊、3冊と読んでいると答えが見つかったりします。

鉄は熱いうちに打て、の言葉通り疑問を忘れないうちにさっさと解決しちゃいましょう。

 

 

成長株投資の神    著者 マーク・ミネルヴィニ   訳 山田雅裕

監修  長尾慎太郎    3080円

 

 

著者紹介

マーク・ミネルヴィニ

数千ドルから投資を始めて、口座残高を数百万ドルにした。

自分のSEPAトレード法の効果を試すために、1997年に25万ドルの自己資金でUSインベスティング・チャンピオンシップに参加し、

155%のリターンを上げて優勝した。また、自らはSEPAトレード戦略を使って、5年間で年平均220%のリターンを上げ、

その間に損失を出したのはわずか1四半期だけだった。

投資講習会などの啓蒙活動も精力的に行っている。ウォール街で30年の経験を持つ伝説的トレーダー。

 

要約

ミネルヴィニを始めとした4人の投資家が一般投資家からの質問に答えるというインタビュー形式の本。

経験も立場も違う4人なので同じ質問でも微妙に答えが違うところが面白い。

一般の投資本はノウハウの記述に終始しているが、この本はそのノウハウを使えるようになるための

筋道を示しているところが特徴。

 

本の構成は以下の通り

第1章 はじめに

第2章 銘柄選択

第3章 ポジションサイズ

第4章 テクニカル分析

第5章 ファンダメンタルズ

第6章 株式市場全般

第7章 仕掛けの基準

第8章 リスク管理

第9章 トレード管理

第10章 心理

第11章 最後に

 

登場人物はミネルヴィニの他は以下の3人です。

デビッド・ライアン・・・ウィリアム・オニールの弟子でオニール社の元マネーマネージャー。オニールを直接補佐して、機関投資家M家の資金管理と銘柄選択の責任者になった。

ジャック・シュワッガー「マーケットの魔術師 米トップトレーダーが語る成功の秘訣」で取り上げられている。

ダン・ザンガー・・・1990年代後半のわずか18か月で、1万775ドルを1800万ドルまで増やしたことが納税申告書で確認されている。リターンは16万4000%にも達する。

マーク・リッチー二世・・・「マーケットの魔術師」にも取り上げられた有名なマーク・リッチーのっ息子である。6か月以内に100%のリターンを達成して、マーク・ミネルヴィニの2010年度トリプル・ディジットチャレンジで優勝した。

 

 

 

 

テクニカル分析

テクニカルに関する4人の考え方の図

「シンプル、慎重、ソツない」手法。投資の3Sと呼んでいいかも。

 

チャートを掲載してあーだ、こーだ、という記述はないのですが、

本の中には4人の空売りについての考えもありますので、別途読んでみてください。

 

 

ピボットポイント(横ばい圏で値幅が最も狭い領域)で買う

p83で「ある銘柄に興味を持ったあと、どうやって実際に買うのですか?買う前に、株価と出来高について具体的に何を探すのですか?」という質問に対して

ミネルヴィニ・・・出来高が細るか売りが枯れて、株価の変動が小さくなっているところ。

ライアン・・・閑散として値動きが極めて小さい期間が1週間以上続くべき。

ザンガー・・・すべては日中の値動き次第。相場の感触をつかみながら、大きく動く銘柄を見つけるスキルを磨く。

リッチー二世・・・理想的には、横ばい圏での出来高はあまり多くなく、平均以下であればさらに望ましいです。

と答えています。

 

つまりカップウィズハンドルのハンドル部分、いわゆるピボットポイントで押し目を1~2回作ったら買いサインという事。

ミネルヴィニにおいては『ミネルヴィニの成長株投資法の第10章「百聞は一見に如かず」』を見てくれと言っていますw

 

株価がベースを抜けてきてハンドル部分で押し目を作ると、大抵の弱い個人投資家は振り落とされています。

そこを機関投資家が買い集めるので賢い個人投資家はその波動に乗っていくという戦略です。

 

基本的な考え方は過去記事をご覧ください。

書評 「第2ステージで買え!」 ミネルヴィニの成長株投資法①

聞き手成長株投資についてもっと知りたい。何かいい本ない?   今回はそんなお悩みにお答えします。   アイ・アールジャパ ...

 

ポイント

上昇が始まる直前の”ピボットポイント”で待ち受けるのが得策

 

ヤフーの掲示板を見ると、その企業が何か素晴らしいIRを発表すると普通の投資家は買いに向かいますが大抵の場合

次の日は株価が大きく下がります。IR情報で浮かれる個人投資家が機関投資家に狙われている証拠です。

 

逆に、株価が大きく下落してしばらく経つと出来高が減少して、他のセクターに注目が集まりますが、

そういう時こそ買い場到来、という事です。

 

株価、出来高、会社のファンダメンタルズで大抵の事は分かる

p91で「ストキャスティックスやMACD、ATRのような指標を使いますか?」という質問に対して4人は

ミネルヴィニ・・・まったく使いません。使うのは、株価、出来高、2~3の移動平均線、それに会社のファンダメンタルズ(主に利益、売上高、粗利益率)だけです。

ライアン・・・ストキャスティックスとMACDは見る。しかし、ほとんどは価格と出来高の動き、会社のファンダメンタルズに頼っている。

ザンガー・・・一番使うのはAIQトレーディング・エクスパートのSK-SDストキャスティックス。MACDよりもはるかに信頼できる。

リッチー二世・・・ATRは使う。MACDとストキャスティックスは使ったことがない。

と答えています。

 

当方は株価、出来高以外にボリンジャーバンド、MACD、RCIを使っていますがいずれも2年以下の短期足で見ると”だまし”に遭遇するので、

週足で見ることが肝心だなと痛感しています。

 

なので、どんな指標を使うか?よりどの期間で指標を見るか?の方が大切だと思っています。

 

逆に言うとどの指標を使っても大して変わらないので、自分に合ったものを選べばいいのではないでしょうか?

 

そういう意味では究極の所、株価、出来高、移動平均線だけでシンプルに値動きが読めるようになる事が理想ですね。

 

ちなみに

ATRとは?

株価の変動率を表す指標で、ボラティリティの確認に使用される

らしいですが、当方は使ったことがないのでコメントは控えさせていただきます。

 

ポイント

どの指標を使うかより、どの期間で見るか?が大事。

 

当方が使っているトレーディングビューのチャートも無料会員だと一度に表示できる指標は3つまで。

覚えることはできるだけ少なくして効率よく稼ぎたいものです。

 

 

出来高が伴っていない新高値でも、即売る必要はない

p101で「出来高が薄いままに、新高値を更新し続けている銘柄をどう評価しますか?」という質問に対して4人は

ミネルヴィニ・・・出来高を伴わずに上げているというだけでは売りません。

ライアン・・・焦点を合わせるべき最も重要な点は、カギとなるところで出来高がどういう変化をしているかです。

ザンガー・・・出来高を伴わずに新高値を付けるのは、不自然な動きではありません。

リッチー二世・・・私にとっては価格が最も重要。ただ、出来高が少ないと感じたら、大きく上げてもその状況で持ち続けようとはあまり考えないかもしれません。

 

ライアン曰く、「新高値へのブレイクアウトやベースの下へのブレイクアウト時に

出来高が増えているかどうか?がカギ」で、それはロケットの発射みたいなもの。

最初が一番パワーを必要とし、それ以降は大きな力はいらないとの事。

 

 

特にコロナ禍以降、政府の金融緩和の恩恵で社会にはお金が余っています。その為か最近の相場は良くも悪くも値動きが非常に荒くなっています。

一旦動き出すとあっという間に手の届かないところまで株価が行ってしまうので、

賢明な投資家はチャンスを逃さないように、少々出来高が足りなくても新高値をブレイクアウトしたら試し買いをして

その後上昇を続けるなら買い増しをする戦略です。

 

ポイント

新高値を更新し続けているなら出来高が増えてなくても保有を続ける。値下がりしたら売ればいいだけ

 

ファンダメンタルズ

ファンダメンタルズに関する4人の考えを示した図

自分の投資スタイルを踏まえて考える

 

わずか16ページしかない章。

成長株投資法で語り尽くしたということでしょうw

今回は数字というよりも考え方に関する事が多かった印象です。

 

4人とも「チャートを見てからファンダメンタルズを見る」

p115で「適切な銘柄を探す際に、ファンダメンタルズをチェックしたあとにチャートを見ますか?それとも逆ですか?」という質問に対し、4人は

ミネルヴィニ・・・私は最初にチャートと長期のトレンドを見ます。

ライアン・・・私はかなりチャートに頼っています。

ザンガー・・・私は最も利益を得た銘柄をチャートパターンで見つけたので、まずチャートを見ます。

リッチ―二世・・・私はまず、チャートを見ます。

と答えています。

 

4人全員チャート先行ですw

ファンダメンタルズが良ければある時点でチャートに反映されているのが理由です。

 

当方としてはある程度賛成で、ある程度反対ですね。

投資家が見れるのは公開されている資料だけなので四季報か決算関係資料だと思います。

それらは過去の数字とあくまでその時点での予想値が書かれています。

 

ただ、繰り返しますが一番大切なのは数字を生み出している環境です。

 

当方が保有していたIRJの場合、2019年途中までは財務体質こそ優れいていたもののEPSがさほど伸びていませんでした。

しかしその後大型案件を複数獲得したことにより、EPSの増加が2倍になりました。

 

 

当然チャートはこれを織り込んでいなかったので、その後株価は右肩上がりを続け現在は分割後の4000円から2万円目前にまで上昇しました。

特にIRJは中期経営計画を作っていないので、情報を発表した時のインパクトが大きかったです。

 

今思えば

アニュアルレポートを読むと社長のメッセージに「胎動」という文字が出ていた事もあったので、

それがはっきりと業績と株価に表れたのは必然だったと思います。

 

 

中長期投資家はそのような「爆発」を期待して投資することができます。

だから必ずしもチャートの形の良いものばかりを狙う必要はないと思うのです。

トレーディングビューより掲載。 大型案件獲得以来、上昇に拍車が付いた。

 

 

 

ポイント

数字を生み出しているその会社の”環境が大事。チャートにはその”環境”までは織り込まれていない。

 

 

 

株価はファンダメンタルズの力によって動く

p121で「株価は何十年も同じファンダメンタルズの力で動いていると信じていますか?」との質問に、4人は

ミネルヴィニ・・・もちろんです!それは信念ではなく、事実です。

ライアン・・・信じています。大切なのは増益か増益予想です。

ザンガー・・・今でも利益の変動で株価は動きます。それは今後も変わりません。

ニッチー二世・・・長期的に株価が大きく上げるとしたら、その力は結局はファンダメンタルズにあると思います。

と答えています。

 

先ほどの答えとは真逆ですね。しかし、これは保有期間の問題です。

ミネルヴィニたち短中期投資家は保有期間がせいぜい1年。

一方、当方の様な中長期投資家は年単位で保有します。(IRJのときは2年8か月でした。)

 

世界をリードしているニューヨークダウもリーマンショックやコロナショックを乗り越え右肩上がりです。

1980年代後半からのNYダウのチャート

トレーディングビューより。30年前からのNYダウの推移。長期投資の威力が良くわかります。

 

 

 

30年分の日経平均のチャート

トレーディングビューより。30年分の日経平均の動き。

 

日本市場は80年代のバブルからの右肩下がりを経て、アベノミクスをきっかけに右肩上がり。

もっとも日経平均は外国人のおもちゃと化している部分もあるので一概に比べてはいけませんが、

数年単位で保有することの大切さがわかります。

 

ポイント

株価は長期的にはファンダメンタルズを基に動く。

 

まとめ

・テクニカルに関しては「ピボットポイントで買う」「株価、出来高、会社のファンダメンタルズで大抵の事は分かる」「出来高が伴っていなくても、即売る必要はない」

・ファンダメンタルズに関しては「チャートを見てからファンダメンタルズを確認する。但し、保有期間の違えばこの通りではない」「株価は長期的にファンダメンタルズの力によって動く」

 

ミネルヴィニたち短中期トレーダーがテクニカル指標を使っていないのは意外でした。

投資に限らず上級者と言われる人はシンプルに物事をこなしているのですね。

素人と違うのは、「ルールを徹底して守っているか、いないか」の違いだけ。

 

書評記事はまだまだ続きます

 

ありがとうございました。

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    shige

    年齢 アラフォー

    住居 愛知県

    職業 個人投資家 ブロガー

    町工場勤めから今年本格的に個人投資家へ転身。 中長期投資なのでファンダメンタルズを重視しています。

    このブログで自分の成功体験・失敗談・ノウハウを公開していきたいと思います。初心者の方に参考にしていただけたら嬉しいです。

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