デジタルの時代だからこそアナログなものが最強と思っているshigeです。
今回比較するのはトマス・J・スタンリーの著書、「となりの億万長者」と「1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました」です。
違う著者の本を比較した事はあったのですが、同じ著者の本を比較した事はないので今回は実験もかねての記事です。
結論は

こういったシリーズ物は最初の作品が一番面白く、回を重ねるごとに内容が薄くなった行くのは否めません。
それでも一応自分なりにまとめたので、興味を持たれた方は最後までお付き合いください。
この記事の内容
共通点
相違点
当方の感想
となりの億万長者
著者 トマス・J・スタンリー ウィリアム・D・ダンコ
出版 早川書房
1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました
著者 トマス・J・スタンリー
出版 文響社
共通点
ポイント
本当のお金持ちは地味で質素。
将来の事をきちんと考えて、豪遊せずせっせと自らの事業に精を出す。
そして株式などに投資して収入源の複線化を図っている。


みんながとなりの億万長者的な考えになったら経済が回りませんよね。
企業は困りますし、引いては税収が減るわけですから国も困ります。
だから一部の派手な生活をしている成功者たちを”理想的なお金持ち像”にしているのです。
この点はとなりの億万長者、1億貯める方法~の両著に共通した理念です。
所得税は最大の敵
髙い収入を得ていながら資産の低い家庭では、金のかかるライフスタイルを保つために現金収入を最大限にしてしまうきらいがある。もしあなたがこのタイプなら、資産額の6.7%で生活できるかどうか考えてみて欲しい。金持ちになるには、我慢が必要なのだ。 となりの億万長者p89より抜粋
6.7%が指標になっているのは、地味な生活をしている億万長者が資産全体の6.7%で生活している事が理由のようです。
ポイント
働いて給料をもらうと所得税が引かれます。しかし株の含み益には所得税はかからないので(株を売却した時にはかかる)ここを増やそう、という訳ですね。


先ほど地味なお金持ちは事業に精を出す、と書きました。
それだけだと所得税が増えますが、会社の経費で落とすなどの節税対策をしていると思われます。
だから大丈夫です。
相違点
となりの億万長者も途中からお金持ちの人とそうじゃない人の具体例の列挙をしているので、読む価値があるのは前半部分ですね。
その前半部分で印象に残るのは期待資産額や蓄財優等生などの言葉。
はてな
期待資産額とは「年齢と収入を考えるとこれぐらいは資産を持っていなきゃいけない」という考え方の事。
計算式は「年齢×税引き前年間家計所得÷10」

はてな
蓄財優等生とは「同じ年齢・同じ所得の人たちの中で、資産額が上位1/4に入っている状態の事。
大まかに計算すると期待資産額の2倍あれば蓄財優等生になる。
かつての当方の様に工場の現場勤務で、資産運用や副業をしていない人は達成できない額ですねw
1億貯める方法~は前回記事でもご紹介した通り、となりの億万長者では記述しきれなかったお金持ちの特徴について言及しています。
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数学脳より文系脳「1億円貯める方法をお金持ち1371人に聞きました」 書評
含み益1億円より実現益800万円の方が価値があると思っているshigeです。 今回の書評はトマス・J・スタンリー ...
軽くおさらいすると
・誠実さ
・自己コントロール
・社会性が
・配偶者の支えがある
・勤勉

当方の感想
ただ、本当のお金持ちは誠実で人柄が良いのは勿論ですが、目の付け所や時間の使い方が上手いことも特徴ですね。
p419以降に載っている夫婦の話。
その夫婦は繊維工場が二等級と判断して捨てる布をわざわざ買い取って、軍用銃の手入れ用布として販売。
今や市場を独占している事。
またそれらの布を使って受刑者用の下着を製造するようにもなった事。
また、
スクールバスの運転手が休憩時間を利用して株式投資の勉強を開始。
定年退職時に300万ドルを所有するまでになっていた事。
しかも子供たちを私立の学校に通わせるための教育費を払ってもそれだけ残っていたという事実。
このエピソードも好きです。
休憩時間を使って勉強した事も素晴らしいですが、なにより「株式投資を勉強しよう」と考えたことが素晴らしいです。そもそも大抵の人は”株式投資”という概念がないですからね。

こうなるとメディアが謳っている事や一般常識の意味を考えてしまいますね。


確かに数字やデータを分析できる能力は必要だと思います。
しかし、数字の前提となる枠組みや考え方が庶民にとって不利な場面も往々にしてあります。だからでてくる数字やデータをいくら分析したって一向に楽にならないわけです。
つまり
ポイント
前提を疑えるかどうか?前提に気付けるかどうか?でお金持ちになれるかが決まってしまうと思います。
まとめ
・この本は無理して買う必要はない
・共通点 ⇒ 本当のお金持ちは地味で質素
・相違点 ⇒ となりの億万長者はセンセーショナルな言葉がある、
1億貯める方法~はお金持ちの特徴について書かれている
・前提条件に気付いたり、疑う事が重要
Amazonのレビュー見ていると、1億貯める方法~は以前発売された本に加筆されたもののようです。
当方はそれを読んだことはありませんが、それでも特段変わり映えのしない印象でした。
逆に言うと、となりの億万長者が名作なんですね。
それならどちらを読めばいいかは一目瞭然です。
この著者の作品が気になっている方に少しでも参考になっていたらうれしいです。
ありがとうございました。