
今回はそんな質問に答えていきます。
IRJで800万円の利益を得たshigeです。
今回のDX関連銘柄はデジタルインフォメーションテクノロジーです。(以下DIT)
ワクチン接種が進むにつれトヨタなど知名度のある銘柄が買われています。しかし、資金はいつも循環していますから、次にグロース株が買われるのを待ちながら勉強して行きましょう。

この記事の内容
・DITの事業内容
・業績、チャートなどからテンバガーが狙えるかを分析
公式HP
2030年まで続くと言われ、国策でもある”DX”に売り無し。そう信じて頑張っていきましょう。
こちらも参考に
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ビジネスモデル
2015年6月創業、独立系のソフトウェア開発をする企業。
主力の事業は2つあります。
ポイント
・ソフトウェア開発事業
・システム販売事業
ソフトウェア開発事業はさらに3つに分けられます。
①ビジネスソリューション事業(BS)・・・業務システム開発と運用サポート
②エンベデッドソリューション事業(ES)・・・組込みシステム開発、組込みシステム検証
③自社商品事業・・・WebARGUS、xoBlosの販売
業務システムとは生産管理システム、在庫管理システム、人事管理システム、勤怠管理システムなどで、その開発をやっていると言う事。
運用サポートはエンドユーザー向けのヘルプデスク、サーバーやネットワークの構築・保守などの事です。
組込みシステムとは家電や車を制御するためのシステムで、実質自動車関連がメインだとか。
組込み検証事業は、モバイル機器、車載機器、通信インフラシステム、医療機器等のソフトウェア評価・検証業務を行っています。
自社商品のWebARGUSはホームページが不正に書き換えられた時、一瞬で元に戻してくれるソフト。
xoBlos(ゾフロス)はエクセルの入力を自動化してくれるソフトで設定変更やメンテナンスもエクセルからできるという優れもの。ソフトウェア開発事業の売上に占める割合は4.5%ですが、DITの成長分野と期待されています。
気になるのは受託開発
DITが独自に営業して案件を獲得しているのではなく、大手のSIから受託開発をしています。
その受託開発(システム開発)が売上の94%を占め、会社として”1本足打法”の状態です。
IT業界は多重請負の業界と言われています。決算資料や各レポートを読んでも「請負」の記述はありません。ただ、粗利が21~22%台と低く、自社商品を売る為の営業力が弱いことを考えると請負の可能性はありますね。
大手SIが顧客のコンサルなど上流工程を担い、下請け企業が下流工程の製品を開発するならば、DITの取り分も少なるはず。
その為
数多くの案件をこなさなければならない
↓
エンジニアを大量に雇う
↓
原価・販管費がかかる
↓
もっと案件をこなさなければならない
という状況を想像するのは難くないですね。

・価格決定権がない
・どんな仕事をするか決定権がない
・納期厳守
・親会社が見回りをする時は、”大名行列”になる
・下請けが在庫管理をする
・土曜日に親会社での無駄な研修に呼ばれる
確かに仕事には困りませんが、精神的な消耗が激しいです。
そういう意味で、自社商品を開発して独自に売り出し、本当に意味での独立をするのは王道ですね。
主要取引先ぐらいは公開してもいいと思いますが、下請けならではの制約を感じます。
強み・・・ワンストップ
企業が生き残る為に必要な条件として
・顧客・・・販売網、大型案件
・サービス・・・商品力
・体制・・・ワンストップや内製化
があります。
DITも定番のワンストップが強みとなっていますね。
もともとは子会社を設立して案件の対応に当たっていたのですが、上手く連携が取れなかったとの事。それを踏まえ、子会社を社内カンパニーにして効率化。今や社内カンパニーが売りになりました。
これはデジタルホールディングスと同じ構図ですね。社内カンパニーで優秀な社員を社長にして、その道の専門家に育て上げる。そして専門家たちでチームを組み顧客のDX対応に当たらせる。
DITはシステム開発分野でのワンストップですが合理的な作戦です。
業績
DITは2021年までの中期経営計画として「トリプル10」という名前の目標を立てていました。
以下の3つです。
・売上100億円
・営業利益10億円
・営業利益率10%
いずれも20年期までに達成しています。
高利益率や車載関連にシフトしたり、軽減税率による駆け込み需要、Windows7サポート切れによる入れ替えなどが主要因です。
数値で言うと、20年6月期は総利益率が0.7ポイント上昇、販管費が0.4ポイント減少です。
営業利益率は
20年・・・10.0%
21年・・・11.7%
22年・・・11.9% 小数点第2位以下は切り捨て
総利益率は24%程。
低いけど他のDXを行っているシステム会社も20%台と言う事実を踏まえると妥当な所。
テンバガーの条件に照らし合わせてみると
・売上が4年で2倍⇒×
・営業利益率が10%以上⇒〇
・上場して5年以内⇒× 2015年6月上場 7年目
・社長が筆頭株主⇒× 筆頭株主はNIインベストメント
・時価総額が300億円以下⇒〇 287億円(2021年7月8日現在)
売上の伸びが物足りないですが、利益率が改善しているので心配なしです。問題は社長が筆頭株主ではなく3位である事。
1位のNIインベストメントがどんな会社かはわかりませんでした。社長の資産管理会社であってほしいです。
2位の市川氏は現会長で創業社長でもあります。(代表権もあるらしい)
内部事情は分かりませんが、現社長がやりにくそうな環境。
チャート
週足5年チャートです。
株価は4月以降下落トレンド入りして、ボリバンのミッドバンドを割ってしまいました。要因はこれと言った悪材料もないので、一旦出尽くしの利確売りですかね。
MACDもヒストグラムが長い緑になっており、下落の勢いが強く出ています。短期長期線も0ラインより上。
RCIも▲80で横ばい。
デイ・スウィング以外は買うタイミングじゃないでしょう。
信用取引に関して
2021年7月8日現在で
売残 14.5 買残 163.0 (千株) 11.24倍率
残数だけで判断するのは危険ですが、売残が1400株ほどしかないので、返済買いによる値上がり効果は薄そうですね。
懸念点
ポイント
・販売網の拡大の進捗
・経営者が自由に動けるか
最新の四季報ではシステム開発の案件で金融系が減少し、代わりとして公共系や他の新規開拓が順調との事。しかし、新規開拓に滞りが出た時は業績への影響は避けられません。リスクヘッジと言う意味でも先に述べた通り、本当の意味での独立する必要があります。
その意味では1位2位の株主が現社長の活動を阻害しないことが大切ですね。
まとめ
・DITは受託がメインのシステム開発会社。
・社内カンパニーを使ってワンストップで顧客に対応し、組込みシステムや自社商品開発を伸ばす戦略
・現社長が筆頭株主ではないのが懸念材料
まあ、M&Aも考えているようなので上手く行けば販売網の拡大とコンサルなど新サービスも加わるかもしれません。
その時が株価上昇の始まりです。
興味がある方は定点観測しながら参戦するタイミングを探りましょう。
ありがとうございました。
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