
今回はそんな質問に答えていきます。
IRJで800万円の利益を得たshigeです。
ワクチン接種が進むにつれトヨタなど知名度のある銘柄が買われています。しかし、資金はいつも循環していますから、次にグロース株が買われるのを待ちながら勉強して行きましょう。

この記事の内容
・マネジメントソリューションズの事業内容
・業績、チャートなどからテンバガーが狙えるかを分析
公式HP
2030年まで続くと言われ、国策でもある”DX”に売り無し。そう信じて頑張っていきましょう。
こちらも参考に
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ビジネスモデル
マネジメントソリューションズ(以下 MSOL)はプロジェクトマネジメントオフィス(以下 PMO)サービスが主力の会社。
2~3年前のレポートですが参考にしてください
PMOとは?
プロジェクトが立ち上がった時、プロジェクトリーダーが決断しやすいように業務や進捗具合を可視化する組織。
主にプロジェクトリーダーの下に置かれる”事務局”のような存在。
プロジェクトは様々な部門の人が参加し、また人数が多くなるとリーダーひとりでは状況を把握できない。それをサポートするのがPMOなんですね。
PMOは顧客自身が設置する事もあるが、コスト面やそもそもPMOに詳しい人物が社内にいない等の理由で外注するのが主流。さらに社会のDX化がMSOLには追い風となっています。


これは当方の個人的な解釈なので間違っているかもしれませんが、プロジェクトにおける立ち位置としてはMSOLがプロジェクトの中に入って支援・調整を担うのに対し、ベイカレントやLTSはあくまでコンサルティングで一歩引いた存在。また、MSOLが受注するプロジェクトはゴールが明確だが、LTSが受注する経営の変革のためのプロジェクトはゴールが次々と現れるもの。
元々IT界は競合より協業という風潮。上手く住み分けができているのかもしれませんね。
強み・・・PMOに特化している
現在国内でPMOの専門業者と言えばMSOLだけなので、それが経済的な堀に繋がっています。
具体的には
ポイント
・顧客と直接契約
・顧客が大手企業
・顧客に寄り添う形態で、96%というリピート率を維持
PMOを行うためには高いコミュニケーション能力や進捗管理能力が必要で、それをできる人材が希少なのが今の日本の現状のようです。
よって下請けではなく顧客と直接契約できるのがMSOLの強み。
一応オーシャンコンサルティングという会社も同じPMOを売りにしていますが直接契約ではないので、業績面では不利ですね。
当方も大手自動車メーカーの2次請け工場で働いていましたが、この辺の状況はよくわかります。
元請けではなく1つ上の親会社から値下げ要求があると拒否できない
急に仕事を減らされる
在庫管理は2次請け任せ
おいしい所は上が持って行くという形でした。

という訳で絶対に直接契約が有利です。
また、資金力に乏しい中小企業が顧客だと現在の様な非常事態では発注ができなくなります。
逆に大手はグループ会社を持っていますから、一番上の親会社で成功事例があればそれがグループ会社や下請けにまで噂が広まって営業しなくても案件の獲得になります。現にLTSはそうやって仕事を取っています。大手は社会的責任もありますから変革の意識が高くこれも有利な点になりますね。
顧客に寄り添う形態も良いですね。
特に今までのITベンダーは顧客に言われるがままにツールを導入していたようです。ただ顧客のITリテラシーが高くないので導入したツールが機能しなくてやり直しになる事もあったようです。ベンダーとしてはその方が短期的に売上に繋がるので好都合ですが、国や企業の競争力が落ちてしまっては意味がないですよね。
これからは顧客の現状に合ったサービスの提供、もしくは顧客のリテラシーを高められる企業が生き残ると思います。
そういう意味でMSOLは一歩先を言った企業と言えますね。
業績
20年の売上以外が大幅減少しているのは、オフィス移転、TVCM、採用による費用の増加の為です。
(百万円)
2019年通期 | 2020年通期 | |
広告宣伝費 | 52 | 175 |
地代家賃 | 76 | 262 |
特にTVCMを見ての問い合わせが39件ありその内受注につながったのは2件。
費用対効果が良くないのでは、と思います。
今期21年2Q時点では前年同期比で広告宣伝費が約8000万円減っていますね。
そして21期2Q累計営業利益は計画比で235.3%増。
最近はBtoBでもCMを打つことがあるようですが、少なくても成長企業はまだTVに進出する必要はないですね。タレントが喜ぶだけです。
でも、そこから計画以上の利益を出すのはさすが。
20年のEPS▲0.8円を「0円」と考えるなら今期のEPSは36倍になる計算!
底力がありますね。


営業利益率は
20年・・・3.8%
21年・・・11.6%
22年・・・11.5%
19年以前も11%台はキープしているので営業利益率には問題なさそう。
売上は「プロジェクトの数×コンサルタントの稼働量×コンサルタントの単価」で表せます。
稼働量はコンサルタントの数と稼働率の事。
MSOLは現在積極的に採用活動していますが、レポートにもある通り稼働率が100%にはならない事と(おそらく研修中のコンサルタントがいる為)、単価は相手あっての事なので自分たちで動かせる状況に注力しているんですね。

テンバガーの条件に照らし合わせてみると
・売上が4年で2倍⇒〇
・営業利益率が10%以上⇒ほぼ〇
・上場して5年以内⇒〇(上場は18年7月)
・社長が筆頭株主⇒〇 筆頭株主は高橋社長の資産管理会社 (株)ユナイデッドトラスト
・時価総額が300億円以下⇒× 2021年6月18日時点で405億円
です。
高橋社長とユナイデッドトラストの保有分を合わせると、昨年10月時点で45%程の保有です。経営は自由にできる状況です。
時価総額は300億円を越えていますが、まだそれほど株価も上がっていないのでチャンスかもしれません。
ベイカレントと同じで、人を増やせば業績も比例して増えるので投資家は評価しやすいでしょうね。
中期経営計画
2025年時点で
売上・・・250億円 営業利益・・・50億円 営業利益率・・・20% 社員数・・・1000名
を目標にしています。
実現できれば素晴らしいですが心配事を上げるとこうなります。
・優秀な人の取り合いになる
・ストック性がない
人材の取り合いは今さら言うまででもないです。
少子高齢化で働く人自体が減っていくのに加え、IT人材は30万人とか40万人足りなくなると言われています。人の奪い合いになるのは目に見えており、先に書いた通り雇った人が長く働けるように体制を整える必要もあります。
ちなみにMSOLの案件が全てDX絡みかはわかりませんが、DX銘柄として扱われるので気にしておいて損はないと思います。
また、決算説明資料を見るとリピート率が96%であることをストック型と呼んでいますが、これは純粋なストック型ではないですね。
当方が思うストック型とは、電気・ガス・水道・携帯電話業界の様にお客さんがサービスを使っていなくても月額料金を払ってくれるビジネスの事です。
人が動いた時に売上が出るスタイルだと普段は良いのですが、
・非常事態で人流を止められた時に売上が消える
・そもそも人が増える毎に人件費も増える
のが欠点です。
その対策としてMSOLはPMOを通して培った研修ノウハウの販売も始めたようですから、仕組みで稼げるように頑張ってほしいですね。
さらにシナジー効果が見込めるM&Aも検討しているので、人材とともに新サービスに繋がるといいですね。
チャート
MSOLの週足5年チャートです。
ミッドバンドで綺麗に跳ね返っていますね。しかも直近のローソク足が大陽線。
21年上期の好調がそのまま株価になって表れております。もっとも掲示板は高値警戒のコメントが目立ちます。
ヒストグラムも薄緑⇒赤へ転換。
2本線も120付近でゴールデンクロス。
RCIも-50から反転。
ただし、株価がボリンジャーバンドの+2σを突き抜けたので一旦下落すると予想します。


信用取引に関して
2021年6月11日現在で
売残 2.4 買残370.8 (千株) 倍率154
期待されてますね。
最近はAIの取引が増えたせいか、目先の決算が良くても売られるのでなかなか買うタイミングが難しいです。
懸念点
ポイント
・2年連続で3分割をしている
・人材の奪い合い
・ストック性がない
中期経営計画とほぼ同じ内容ですが、ここでは分割について考えてます。
一般的に株式分割をすると1株当たりの値段が下がって流動性が高まり、個人投資家が参入しやすくなります。
しかし、最近は分割するとかえって流動性が悪くなる(イナゴを集めるだけで株価が下落しやすくなる)ので当方は株式分割に反対の立場です。
MSOLは2年連続で3分割をしているので古参の株主は利益が随分載っていると思いますが、これから参入する方は高値掴みに注意してください。
まとめ
・マネジメントソリューションズはPMOが主力サービスの会社
・業績は20年は減益だったものの21年以降は期待できる
・強みは「PMOに特化している事」
・懸念は「2年連続で3分割している事、人材の取り合いになる事、ストック性がない事」
これまでいくつかの会社のIR資料を見てきましたが、この会社の場合まだまだ改善の余地はありそうです。
しかし、それを補って余りある業績の伸びは良いですね。
当方が保有しているLTSと企業規模や事業内容が似ているので、どちらがより大きく成長するか見物です。
BtoBの企業分析は難しいのですが、自分の世界が広がる機会でもあるのでコツコツ続けて行こうと思っています。
ありがとうございました。
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