
今回はそんな質問に答えていきます。
IRJで800万円の利益を得たshigeです。
ワクチン接種が進むにつれトヨタなど知名度のある銘柄が買われています。しかし、資金はいつも循環していますから、次にグロース株が買われるのを待ちながら勉強して行きましょう。

この記事の内容
・セラクの事業内容
・業績、チャートなどからテンバガーが狙えるかを分析
公式HP
2030年まで続くと言われ、国策でもある”DX”に売り無し。そう信じて頑張っていきましょう。
こちらも参考に
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ビジネスモデル
システムインテグレーション(以下SI)が主力の会社。
SIは企業や行政のシステムの企画・設計から運用・保守まで一括してやってくれる事です。
DXは業務のIT化を手段として会社の在り方や働き方など根本的に変えていくことを意味しています。
そして最近のセラクは高利益率のDX案件に重心を移行してきている模様です。
ポイント
特徴的なのは農業のDX化である「みどりのクラウド事業」。
全国47都道府県すべてで導入済みで、2400件を突破したそうです。
農業は以前から後継者不足が叫ばれていたのでDX化するのは当然の流れ。
窓・空調・換気などを自動で行ったり、収集したデータの分析や他の生産者との比較ができるのがメリット。
すでにDXを用いたアスパラガスの栽培事例や、みどりのノートというプラットフォームを使い、林業における苗木の生産効率の改善に成功している事例があります。
売上としては21年度は2億5千万円ほど。それを24年8月に20億円まで成長させることを目論んでいます。

強み・・・エンジニアの質
決算説明資料を見ると以下のような記述があります。
2021年8月までに170名のSalesforce有資格者の育成を予定(国内有数の育成数)。3年後までに500名のSalesforce有資格者育成を予定
2021年2Q時点でエンジニアは2269名。若干時期外れますが、2021年2月時点で基本と上位の有資格者合わせて339名。
およそ15%のエンジニアが有資格者となります。
セラクの強みはこの育成力ですね。なぜなら質の高い従業員がいれば質の高いサービスを提供でき、業績に繋がるからです。
現在、IT人材が20万人、30万人足りないと言われており各企業で優秀な人材の奪い合いが続いています。他社から引き抜くのは資金的に大変なので自前で育てることが必須であり、育成力のあるなしが企業の明暗を分けるでしょう。
この他にもセラクは日本マイクロソフトと協業する等積極的な事業展開をしています。伸びしろは大きいと思います。
はてな
Salesforce・・・アメリカに本社を置くクラウド上で商談・案件の状況や行動原理を分析しより良い営業活動に繋げるためのシステムを作っている会社の事
業績
*数値は四季報をベース
ポイント
・直近3年間の売上は20%以上増を達成。しかし今期は8.9%の伸びの予定。
・営業利益に至っては20年期は60%増という驚異的な数字。今期は17.5%の予定。
・営業利益率は6~8%台。今期は9.1%の予定。
・EPSの増加率は40%越え。今期は46.3%増の予定。
セラクは直近3年間は好調だったものの、直近ではコロナの影響でエンジニアの稼働率が低下。それが業績にも出ていますね。
そのため雇用調整助成金を受給して経常利益が多くなっています。
セラクが上場したのは2016年ですが、2017年以前は連結財務諸表を作成していないので、単純比較はできませんが。
テンバガーの条件をおさらいです。
・売上が4年で2倍
・営業利益率が10%以上
・上場して5年以内
・社長が筆頭株主
・時価総額が300億円以下
ちなみにテンバガーの条件にEPS増加は入っていないのですが、当方はより厳しく査定するためにEPSが毎年20%以上増えている事も重視しています。
それを踏まえて
先ほど述べたようにデータが3年分しかない+コロナの影響を含めると
売上は4年で2倍になるか?⇒△
営業利益率10%以上⇒×
上場して5年目(7月を過ぎると6年目)⇒〇(但し△に近い)
社長が筆頭株主⇒〇
時価総額が低い⇒〇(280億円近辺)
EPSの増加率⇒〇
以上の評価です。
営業利益率について
先行投資で目先の利益が減ってしまう成長企業の宿命です。セラクの場合は人材の採用・教育に経費が掛かっています。
特に今は高利益のDXに移行するため、対応できる人材の採用・育成をしていますから。
今年・来年の営業利益率は9%台の見込み。今しばらくの辛抱ってとこでしょうか。
そして上場してから一応5年以内ですが、7月を過ぎると6年目になります。
テンバガーの条件はあくまで目安なので「1つでも条件を満たしていないとダメ」ではないです。しかし注意しておく必要はあると思います。
時価総額について
DX関連銘柄で言うとベイカレントが先導株であり成長株です。
しかしベイカレントは既に時価総額が5000億円を越えています。つまり株価が高くなりすぎて個人投資家が参戦しにくい状況。
ここから利益を狙っていくには業績が順調に伸びているにもかからわずまだ株価に表れていない時価総額の低い企業を買う事です。
ワクチン接種が進むにつれ資金は航空関連や観光などコロナの影響で低迷していたバリュー株に向けられています。
しかしこれも一時的なもので長期間業績を拡大できるのは今現在無名の企業でしょう。
チャート
セラクの週足5年チャートです。
4月にカップウィズハンドルのカップを形成してそのまま上昇していくと思いきや、アメリカ金利上昇やワクチン接種の進展で低迷していた銘柄に資金が流れている感じですね。
当方は週足5年でチャートを見ることを心がけていますが、AIの取引が主流となった今の相場では場合によっては月足で見てもいいかもしれません。
少なくても、各テクニカルチャートの指数が揃うまでは”待ち”の状態でいようと思います。
信用取引については
5月28日時点で、買残621.5 売残342.4 (千株) 倍率1.82
なので健全です。
ただし即買い、ではなく今年はこの後の項で述べる「分売」が厄介な存在になると思います。
懸念点
ポイント
・プライム市場を目指す為、秋ごろに立会外分売(分売)が出ると言われている
・従業員の増加による販管費が利益を圧迫する恐れ
・みどりのクラウドがどこまで伸びるか未知数
・コロナの影響が長期化する事
はてな
立会外分売とは企業や大株主が保有している株式が、立会時間外(早朝や昼休みなど)に売りに出される事。株価に影響を与えず大量の株式を処分できる方法の事
プライム市場に居るためには企業の役員や取引先が持っている株を除き、個人や機関が売買できる「流通株式」だけで時価総額100億円を越えている必要があります。セラクはこの為に秋ごろ立会外分売をしてくると言われています。分売をすると株価が下がるので買うタイミングには注意が必要ですね。
業績の項でも述べた通り、セラクは雇用調整助成金を受給しているのでコロナに弱い営業スタイルかもしれませんね。今の時点ではエンジニアの稼働率は97%台まで回復しているようですが、事態の長期化を念頭に投資をしていった方が良いと思います。
積極的に採用・育成をしているのは農業を始めとする成長分野にシフトする為。しかし農業分野がどの程度伸びるかは未知数です。世界的に主力産業は一次産業⇒二次産業⇒三次産業と変化しているので、これからの若い人が農業をやってくれるかですね。結局ITを使うのは人間なんですから。


まとめ
・セラクはSIの会社でDXへ主力業務を移行中。
・業績は順調に伸びていたが、今期はコロナの影響を受けている。
・分売を考えると買うタイミングは慎重に。
・今後のカギは「DX化で農業が儲かるようになるか?」
コロナの収束+分売をこなせば面白い銘柄だと感じました。
焦らず好機が向こうからやってくるまで観察を続けながら勉強しましょう。
ありがとうございました。
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