書評

「清く 貧しく 美しく」の書評レビューをしてみた

2020年3月15日

石田衣良氏が氷河期世代をテーマにした新作を発売したと言う事で、興味を持って購入。

当方も氷河期世代なのでこの手の本には以前から興味を持っていました。

この作品の場合、終始主人公の葛藤が大きなテーマになっているのでそれを念頭に読むといいと思います。

 

amazonにもレビューを投稿したので基本的にはそちらと同じ内容ですが、興味のある方は1度読んでみてください。

本の概要は以下の通りです。

 

「清く 貧しく 美しく」 石田衣良 著    

 

出版  新潮社   定価:1600円(税別)

 

発行   2019年12月20日

 

 

清く 貧しく 美しくのレビューのアイキャッチ

たまには恋愛系にも挑戦します。

 

要約

就職活動から逃げてしまった主人公・立原堅志は、保木日菜子という地味な女性と同棲生活を送りながら20代を大手通販会社(amazonぽい)の巨大倉庫でアルバイトをしながら過ごす。
30歳を目前にしたとき、正社員の話が持ち上がり研修に行くと、大学時代の恋人・佳央梨が本社社員として大出世しており複雑な心境になる。それと同時期に堅志の夢だった文筆業への道も開かれ、日菜子にも新たな恋の予感が…。

 

見どころ

どんな時でも褒めあう

堅志と日菜子は同棲する上で一つの約束をします。それが「お互いを褒める」と言う事です。

少々甘くても、バカみたいでもいい。世知辛い世の中、お互いを褒めあって支えあって生きていこうと決心するのです。

こういった点では堅志はアメリカ風なのですが、本社研修ではその社風が肌に合わないようでその矛盾も面白いですね。

 

周りの人間の変化

大企業でエリートとしてやっていく力がある堅志が、アルバイトから徐々に本来の評価をされていく姿が面白い。当然周りにいる人間も「アラフォー非正規やシングルマザー ⇒ 外資系エリートやフリーランスのプログラマー」に変化していく。それによって一見平坦に見える人間関係にも「階層」があることがわかる。

バーベキューが修羅場となる

本社研修で知り合ったプログラマーがバーベキューを開くと言うので堅志も日菜子を連れて参加するのですが、そこへかつての恋人・佳央梨もやってきます。日菜子の前で佳央梨は自分が堅志の恋人だったことを暴露し、一触即発状態に。

家に帰ってからも堅志と日菜子は気まずい雰囲気が続き、さらに日菜子の方にも新しい男性が現れ2人の関係は1つの大きな節目を迎えます。

公私ともに決断の時が来る

堅志の方は「大手の正社員か、文筆業か?」「日菜子か、かつての恋人・佳央梨か?」という決断を迫られます。

日菜子の方は「スーパーのレジ打ちか、レストラン経営か?」「堅志か、本屋の副店長・板垣か?」という決断を迫られます。

まあ、結果はだいたい想像がつくと思いますが、この作品の見どころの1つとなっていることは確かです。

 

人生を大きく変える分岐点

後悔のない選択をしたいものです

音楽への造詣

かつてNHKの某音楽番組を見ていたら作者の石田氏がゲストで出演していたのですが、石田氏は執筆をする際クラシック音楽と聴いているようで曲調によって執筆のしやすさが変わると話していました。

この作品にも中にも『モーリス・ラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ』や『オスカー・ピーターソン・トリオの「プリーズ・リクエスト』という単語が出てきます。他にも堅志が日菜子の店の本棚に並べる本を調達したり、スピーカー位置を調節したり、石田氏のこだわりが感じられる作品となっております。

 

 

感想

ジャンルとしては恋愛小説なので、当方が苦手としている分野です。

ただ、実際読んでみるとそこまでべたべたな描写はなかったので最後まで読み切れました^^

 

本筋の感想としては、こういった状況にある人は何も氷河期世代だけではないと思いました。

特に堅志はふとしたことで自ら就職活動を放棄してしまったので、今メディアで話題になっているアラフォー非正規の人たちとは状況が違います。

だから感情移入に物足りなさはありました。

 

作品全体の印象は「無難」です。

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    shige

    元々はギタリストになりたくて専門学校に入学したが挫折。 地元・愛知に帰りアルバイトや工場勤めを経験して今に至る。 投資スタイルは「中長期投資」 2017年から投資していた「アイ・アールジャパンホールディングス」が株価8倍になったことをきっかけに、本気で仕事を辞め投資家生活に入ることを画策中。このブログでもノウハウを公開していく予定です。

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